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2025年11月プラチナ相場レポート|中旬に下落、月末は利下げ観測で反発

2025.12.12

はじめに

2025年11月のプラチナ相場は、国内・海外ともにやや軟調な推移となりました。
10月のような大きな上昇局面は見られず、海外相場の調整や景気指標の影響を受けながら、
小幅な上下を繰り返した月でした。

前半〜中旬は海外相場の下落が続き、国内価格も8,200円台まで弱含む場面がありました。
一方で、月末には利下げ観測が強まったことで海外相場が反発。
その結果、国内相場も8,800円付近まで回復するなど、下げ一辺倒ではない動きも確認できました。

このコラムでは、国内相場・海外相場・為替のデータをもとに、
11月のプラチナ相場を時系列で整理しながら、背景にあったニュースや市場環境をわかりやすく解説していきます。

2025年11月のプラチナ相場をひと目で確認

11月のプラチナ相場は、国内・海外ともに調整色の強い1ヶ月でした。

・国内プラチナ相場(円/g): 8,260〜8,852円(値幅592円)

・海外プラチナ相場(ドル建て): 1,517〜1,631ドル

・為替(ドル/円): 152.94〜157.38円で方向感の弱い推移

・相場のテーマ: 海外相場の調整 → 国内も弱含みの展開
・特徴: 中旬に下落、月末は小幅に反発

このあと、国内相場・海外相場・為替の動きを詳しく整理し、
2025年11月のプラチナ相場がどのようなニュースや市場環境で動いたのかを解説していきます。

国内相場と為替の動き

国内相場の動き

2025年11月の国内プラチナ相場(円/g)は 8,260〜8,852円 の範囲で推移しました。
月初は8,700円台から始まりましたが、海外相場の調整を受けて徐々に軟調。
一方で、中旬には 8,200円台 に下落する場面がありました。

月末には海外相場の反発に合わせて 8,800円前後まで回復しました。
そのため、下落一辺倒とはならずに月を終えています。

為替の動き

ドル円相場は 152.94〜157.38円 の範囲で推移しました。
月初は153〜154円台と比較的落ち着いた動きでした。
しかし、中旬以降はドル高・円安方向が進み、一時 157円台 を付ける場面もありました。

その結果、為替は方向感に乏しいながらも、
11月後半はやや円安基調が意識される展開でした。

海外相場(ドル建て)の動きと国内相場との比較

海外相場(ドル建て)の動き

2025年11月の海外プラチナ相場($/oz)は 1,517〜1,631ドル の範囲で推移しました。
10月に高値を付けた反動もあり、月前半は軟調な流れが続き、一時 1,520ドル台 まで下落しました。

中旬にかけても戻りは限定的で、感謝祭(11/28)前後は薄商いとなり、値動きは小幅にとどまりました。
月末にはやや反発したものの、全体としては「10月の上昇に対する調整局面」という印象が強い月でした。

国内相場との比較

海外相場の調整に合わせて、国内プラチナ相場も弱含みの展開となりました。
月前半〜中旬は海外相場の下落が素直に反映され、国内相場も 8,200円台まで下落しています。

一方で月末は、海外相場が反発したタイミングに加え、
ドル円が 156〜157円台の円安水準へ進行ました。その為、国内相場の下落は小幅にとどまりました。

その結果、国内価格は 8,800円前後まで回復。
11月は海外相場と国内相場の連動が強い月でしたが、月末の動きについては為替が一定の支えとなったといえます。

11月のプラチナ相場に影響したニュースまとめ

11月のプラチナ相場は、10月のように大きな地政学イベントや通商問題で動く場面は多くありませんでした。
その一方で、景気指標の不透明感米金融政策をめぐる報道 が相場心理に影響を与えました。
そのため、月前半〜中旬は軟調、月末は反発という“緩やかな山型”の値動きとなりました。

ここでは、11月の相場に影響した主な材料を時系列で整理します。

📌 11月上旬:景気指標の弱さで工業需要の先行きに不安

月初の米景気指標は予想を下回るものが多く、
世界的に工業需要の先行き不透明感がやや強まりました。

プラチナは触媒用途を中心とした工業需要の比率が高いです。
そのため、こうした指標の弱さは 需要面の懸念 → 売りが出やすい環境 をつくります。

結果、海外相場はじわじわと下落。
国内相場も中旬にかけて 8,200円台まで軟化する展開となりました。

📌 11月中旬:米統計をめぐる混乱で景気不透明感が強まり、プラチナは下落

11月中旬には、米政府統計の発表体制をめぐる混乱 が市場心理を冷やす要因となりました。

・一部の統計が遅延・停止していた

・10月の雇用統計が「失業率なし」で発表される可能性が報じられた(11/19 日経)

こうしたニュースにより、
「景気の実態がより見えにくくなる」 → 「工業需要も読みづらい」
という警戒感が強まり、景気敏感資産であるプラチナは続落。

中旬の海外相場の弱さは、国内価格にも素直に反映され、この期間の下落局面の主要因となったと考えられます。

📌 11月下旬:FRB議長候補報道で利下げ観測が再燃し、プラチナは反発

11月25日にブルームバーグが
「次期FRB議長にNECのハセット委員長が最有力」
と報じたことで、相場環境は一転します。

ハセット氏は過去に「自分ならすぐ利下げする」と発言していた人物であります。
その為、この報道を受けて市場では
“利下げ開始が早まるのでは” との思惑が急速に広がりました。

・米長期金利の低下

・ドル安方向の動き

・金・プラチナなど貴金属の買い戻し

こうした流れが月末にかけて強まり、海外プラチナ相場は反発。
その結果、国内相場も 8,800円前後まで持ち直す展開となりました。

加えて、月末のドル円相場が 156〜157円台の円安水準 にあったことで、
国内価格の下押しが限定的となった点も反発を後押ししています。

🔍 まとめ:

11月は「景気不透明感で売られ、中旬に底打ち → 利下げ観測で反発」という構図が明確に見られた月でした。

・中旬の下落要因 → 統計混乱・景気不透明感

・月末の反発要因 → ハセット報道 × 金利低下期待 × 円安

プラチナ特有の工業需要と投資需要の両面が、
11月ははっきりと相場に現れた形です。

相場が大きく動いた日を振り返る

11月のプラチナ相場は、月前半〜中旬にかけて軟調。月末にかけて押し目買いが入るという動きが見られました。
ここでは、そのなかでも特に値動きの大きかった日をピックアップし、
どの局面で何が意識されたのか を整理します。

🔹 11月6日(木)|−247円の下落(5日 → 6日)

5日:8,708円/g → 6日:8,461円/g(−247円)

月初に米製造業指数などが弱い内容となり、
景気への慎重姿勢が強まった時期です。

先述の通りプラチナは工業需要の影響を受けやすいです。
そのため、こうした“景気の先行きに対する警戒感”が売り材料として意識され、
海外相場の軟調さがそのまま国内価格に反映されました。

🔹 11月15日(土)|−227円の下落(14日 → 15日)

14日:8,490円/g → 15日:8,263円/g(−227円)

11月中旬は 統計発表の遅延や不安定化 をめぐる報道が相次ぎました。
市場参加者の間で「景気指標が読めない」状態が意識されたタイミングです。

景気の判断材料が不足すると企業活動の見通しも立てづらく、
工業需要に左右されやすいプラチナは弱含みに。

この“判断材料の欠如による慎重ムード”が、
中旬の下押し圧力につながりました。

🔹 11月29日(金)|+242円の上昇(28日 → 29日)

28日:8,541円/g → 29日:8,783円/g(+242円)

感謝祭明けのこの日は、
利下げ観測の高まり が市場で意識され、
貴金属全体に買いが入りやすい地合いへ。

とくに、25日に報じられた
「次期FRB議長候補としてハセット氏が最有力」
というニュースは、金利低下を見込んだ買い戻しを誘発しました。
その結果、海外プラチナ相場にも反発の動きが入りました。

国内相場は円安基調も重なり、上昇が素直に反映されました。

🔹 11月30日(土)|+158円の上昇(29日 → 30日)

29日:8,783円/g → 30日:8,941円/g(+158円)

前日に続いて、利下げ観測が支えとなった1日です。
海外相場が戻り基調を維持するなか、ドル円が 156〜157円台の円安圏 にありました。
その結果、国内プラチナ価格は下値を切り上げる形で反応しました。

🔍 日付別の特徴まとめ

・前半(6日):景気指標の弱さ → 工業需要への懸念で軟調

・中旬(15日):統計の混乱による“景気の見えにくさ”が下押し要因

・月末(29〜30日):利下げ観測台頭 → 金利低下期待 → 反発

・為替(円安)は月末の戻り局面を後押し

11月は、一つの材料ではなく、
局面ごとに異なるテーマが意識されながら値動きが形成された月でした。

11月の値動きを振り返って

2025年11月のプラチナ相場は、
前半〜中旬にかけて軟調、月末にかけて反発 という、メリハリのある展開となりました。

前半は、弱めの景気指標や統計発表の混乱が意識され、
自動車触媒を中心とする工業需要への不安感から下押し圧力が強まった時期です。
とくに14日〜15日にかけては、景気の先行きが読みづらい状況が続き、
投資家の慎重姿勢が相場の重しとなりました。

一方で、月末にかけては状況が変化します。
感謝祭付近から 米金融政策の緩和期待(利下げ観測)が再び意識されました。
そのため、貴金属市場に買い戻しが入りやすい環境になりました。
くわえて、25日の「ハセット氏が次期FRB議長候補として浮上」という報道も追い風となりました。
その結果、海外相場は反発基調へ転じました。

さらに、為替相場が月末にかけて 156〜157円台の円安圏 を維持したことで、
国内プラチナ相場は下落分を吸収しやすい地合いとなり、
29日・30日にかけて連続して上昇しています。

🔍 総括

11月のプラチナ相場は、

  • 景気敏感資産として弱さが出た前半〜中旬
  • 利下げ期待と円安で持ち直した月末

という、はっきりした二つの局面が特徴でした。

大きな急騰・急落はないものの、
中旬の軟調と月末の反発に象徴されるように、
プラチナ特有の「工業需要 × 金融政策」による値動きが際立った1ヶ月でした。

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出典・参照

・田中貴金属工業「地金店頭小売価格」

・日本銀行「統計データ(外国為替相場)」

・Investing.com(プラチナ先物チャート・ドル/円チャート)

・Reuters「米景気指標に関する報道」(2025年11月上旬)
・日本経済新聞「米雇用統計の発表遅延・失業率非掲載の可能性」(2025年11月19日)

・テレビ東京・テレ東BIZ「アメリカFRB議長に国家経済会議のハセット委員長が最有力候補か」(2025年11月26日)

※相場データ(国内・海外・為替)は、すべて上記データソースをもとに作成しています。