

2026.01.21
2025年のポケモンカード相場は、これまで以上にカードごとの評価差がはっきりと表れた1年でした。
大きく評価を伸ばしたカードがある一方で、話題性や知名度が高くても、供給量や需要のバランス次第では相場が大きく調整されるケースも見られました。
また、PSA10の認定数や鑑定品と未鑑定品の価格差など、「なぜその価格なのか」を考えさせられる場面が多かった年でもあります。
さらに2025年は、8月にMUR(マスターレア)という新たなレアリティが追加されるなど、相場の構造そのものにも変化が生まれました。
年末にかけては、今後の評価を占うカードも登場し、市場はすでに次の段階を見据え始めています。
このコラムでは、2025年のポケモンカード相場を振り返りながら、特に印象的だったカードを中心に、「なぜ上がったのか」「なぜ下がったのか」を整理していきます。
単なる価格の上下ではなく、その背景にある要因を読み解いていきます。2026年以降の相場を見るヒントになれば幸いです。

ゴッホピカチュウ(PSA10)は、2025年のポケモンカード相場を象徴する存在のひとつです。
美術館コラボという国際的な話題性に加え、年初から鑑定品が強く意識される環境でスタートした点が特徴的でした。
2024年末にゴッホピカチュウを巡る偽造品の話題がSNSを中心に広がりました。
そのため、2025年に入ってからも市場では「真贋が保証された鑑定品の安心感」が前提として共有されていました。
その影響もあり、年初からPSA10の需要は比較的底堅く推移したと考えられます。
相場は年初に9万円前後から始まり、春先にかけて上昇。
一時は14万円台まで評価される場面も見られました。
その後、供給増加や利益確定売りの影響で夏場は調整局面となりました。
しかし、秋以降は再び注目が集まり、10月には大きく上昇。
年末時点では27万円前後まで回復しています。
2025年のゴッホピカチュウは、カード自身の人気だけでなく、「鑑定品であること」が価格形成に強く影響した1年でした。
この動きは、今後の高額カード相場を考えるうえでも重要な示唆を与えたと言えるでしょう。

見返り美人ピカチュウ(PSA10)は、2025年ではデザイン性の高さとコレクション性が強く意識されたことで、大きく評価を伸ばしたカードです。
年初は8万円前後からのスタートでした。
春以降は安定した上昇基調が続き、夏には20万円台に到達。
秋には30万円を超える水準まで評価されました。
年末時点では36万円前後と、1年を通して非常に強い値動きを見せました。
このカードが支持を集めた背景には、浮世絵をモチーフにした構図や配色があります。
これらの要因が主に海外コレクターから「見た目の完成度が高いカード」として広く受け止められた点があります。
その結果、国内需要とは異なる層からも、継続的な需要が生まれました。
また、高額帯では状態を重視する傾向が強いです。
そのため、PSA10という明確な基準が価格形成に大きく影響しました。
市場では「できるだけ良い状態の物を保有したい」という意識がされております。
結果、鑑定品への需要が集中しやすい状況が続いたとも考えられます。
2025年の見返り美人ピカチュウは、キャラクター人気に加えて、ビジュアル面の評価や保存志向が相場を押し上げた1年だったと言えるでしょう。

ギラティナV SA(PSA10)は、2025年を通して見ると、派手な話題が少ない中でも着実に評価を高めたカードです。
年初は10万円前後で推移していました。
春にかけて徐々に上昇し、4月には14万円台まで評価されました。
その後はいったん調整局面に入り、初夏には12万円前後まで下落します。
しかし、夏以降は下値を切り上げる形で再び安定。
秋には18万円台に到達し、年末時点では21万円前後と、1年を通して見ると約2倍以上の上昇となりました。
このカードの特徴は、イベント性や供給要因ではなく、キャラクター人気とSA(スペシャルアート)としての安定した需要が相場を支え続けた点にあります。
短期的な材料がなくても、評価が大きく崩れにくい動きを見せました。
また、高額帯では先述の通り状態を重視する傾向が強いです。
そのため、PSA10という明確な基準が価格形成に影響しました。
急騰局面こそ少ないものの、「持っておけば大きく崩れにくいカード」として市場に受け止められていた印象があります。
2025年のギラティナV SAは、話題性よりも安定性が評価された一年だったと言えるでしょう。

Nのゾロアーク UR(エラー版・PSA10)は、登場直後の評価と、その後の修正が非常に分かりやすく表れたカードです。
このカードの最大の特徴は、よくある印刷ズレやなどのエラーではない点です。
本カードはPSAが鑑定ラベルの表記としてエラーであることを明確に記載した、非常に珍しいケースとなっております。
この事実が、市場での初動評価を大きく押し上げた要因と考えられます。
登場直後は50万円台後半という高い水準で取引が始まりました。
しかし、その後は春にかけて調整が進み、4〜5月には30万円を大きく下回る水準まで下落。
夏以降は20万円前後で推移していきました。
その後、年末には17万円前後と、結果的には大きな調整を経る形となりました。
PSAが公式にエラーとして認定したことで、一定の希少性と価値は担保されました。
一方で、実需が限られるカードであることも次第に意識されるようになりました。
その結果、初動で織り込まれた期待値が修正され、価格は現実的な水準へと落ち着いていった印象です。
2025年のNのゾロアーク UR(エラー版)は、「初動で過度に評価されたエラー系カードが、その後どう価格形成されるか」を示した、示唆の多い1枚だったと言えるでしょう。

ゼイユ SAR(PSA10)は、2025年の相場を振り返るうえで、PSA10認定数の少なさが評価に直結したカードです。
このカードが登場した2024年当時は、パックの供給が問題となっておりました。
そのため、「質より量」を重視する形で生産される場面が多かった時期でありました。
結果、開封数自体はその以前と比較して多かったです。
しかし、印刷状況や取り扱いが均一ではなく、結果としてセンタリング不備など、PSA10になりにくい個体が発生しやすかったと考えられます。実際、2025年末時点でのPSA10認定枚数は3670枚と非常に少ないです。
その影響もあり、最近のカードとしてはPSA10の認定数が想定ほど伸びなかった点が、このカードの大きな特徴となりました。
2025年に入ってからは、その点が市場で徐々に意識されるようになりました。
「ゼイユのPSA10は簡単に増えない」という見方が評価を押し上げたと考えられます。
相場は年初4万円前後から始まり、春から初夏にかけて評価が上昇。
その後は急騰こそないものの、PSA10の希少性を前提とした水準で落ち着く一年となりました。
2025年のゼイユ SAR(PSA10)は、流通量の多さと、鑑定グレードの希少性が必ずしも一致しないという点を示した、分かりやすい事例だったと言えるでしょう。

マクドナルドピカチュウ(PSA10)は、2025年の相場を振り返るうえで、供給量が相場に与える影響を最も明確に示したカードです。
このカードについては、報道により発行枚数が約150万枚にのぼることが明らかになっております。
市場でも早い段階から「流通量が非常に多いカード」という認識が共有されていました。
夏頃の出始めでは3万円前後で取引されていました。
しかし、その後は供給量の多さが徐々に意識され、下落基調が継続。
秋には1万円台、年末には8,000円台まで評価を下げました。
結果として、年間を通して見ると大幅な下落となっています。
PSA10については、鑑定が進むにつれて毎月相当数のカードが新たに市場へ供給される状況が続きました。
その結果、需要の増加以上に流通量が積み上がり、時間の経過とともに相場が調整されていく形となった印象です。
マクドナルピカチュウは話題性や知名度が高いカードでした。
しかし、供給量が過剰であれば相場は維持されにくいということを、数字をもって示したカードだったと言えるでしょう。

リーリエの決心(SAR・PSA10)は、2025年の相場を通して見ると、高額帯カードにおける評価のズレと、その修正がはっきりと表れた1枚です。
このカードは、未鑑定品と鑑定品(PSA10)の相場が大きく乖離していた点が特徴的でした。
特にPSA10については、「リーリエ」という人気キャラクター性が強く意識されました。
その結果、実際の需給バランス以上に高く評価されていた側面があったと考えられます。
年初から夏にかけては14万円台から17万円台まで上昇。
高額SARとして注目を集めましたが、その後は徐々に調整が進行。
年末時点では8万円前後まで水準を下げる結果となりました。
初動はキャラクター人気だけで押し上げられた価格が形成されました。
しかし、その後は未鑑定品との価格差や市場全体の需給を意識する形で修正されたと捉えることができます。
2025年のリーリエの決心(SAR・PSA10)は、人気キャラクターであっても、鑑定品の評価が常に正当化されるわけではない、象徴的な調整事例だったと言えるでしょう。

リザードンYex(MUR)は、2025年12月に発売された「スタートデッキ100 バトルコレクション」に収録されたカードです。
2025年8月に追加されたレアリティ「MUR(マスターレア)」の流れの中で、年末に登場した注目カードという位置づけになります。
発売直後から未鑑定品で20万円前後という高い評価をされております。
この価格には、MURという希少性に加え、リザードンというキャラクター性が強く反映されていると考えられます。
一方で、このカードは発売から日が浅く、鑑定品の流通量や価格帯は、まだ固まりきっていません。
そのため、相場を総括するカードというよりも、MURというレアリティが今後どのように評価されていくのかを占う存在として位置づけるのが適切でしょう。
リザードンYex(MUR)は、2026年以降の相場動向を考えるうえで、起点となるカードと言える存在です。
2025年のポケモンカード相場は、「一律に上がる年」でも「一律に下がる年」でもなく、カードごとの評価軸がはっきり分かれた1年だったと言えるでしょう。
国際的な注目や需要の広がりを背景に上昇したカードが多くありました。
一方で、供給量の多さや期待先行の反動から、大きく調整したカードも見られました。
また、PSA10の認定数や鑑定品と未鑑定品の価格差など、「どの層に、どれだけの需要があるのか」が、これまで以上に意識された年でもあります。
特に印象的だったのは、PSAが公式にエラー表記を行ったカードです。
こうしたカードは一時的に高く評価された後、市場の冷静な判断を受けて価格が修正されていきました。
人気や話題性だけでは、相場を長期的に支えきれないことが、改めて浮き彫りになりました。
一方で、2025年にはMURといった新たなレアリティが登場しました。
相場はすでに2026年を見据えた動きも始まっています。
評価が固まっていないカードやレアリティが増えたことで、今後はより「選別される相場」へと移っていく可能性も感じられます。
2025年は、ポケモンカードが「雰囲気で動く相場」から「構造で判断される相場」へと進んだ1年
だったのではないでしょうか。
来年は、どのカードが評価を維持し、どのカードが再評価されていくのか。
その動きを追っていくことが、これまで以上に重要になりそうです。
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