

2026.06.19
2026年のポケモンカード市場では、ゴッホピカチュウやメガリザードンYex MURをはじめ、一部のカードが短期間で大きく高騰しています。
こうした値動きを受けて、「現在のポケカ相場はバブルなのか」「今後も高騰が続くのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
一方で、市場全体に高騰感がある中でも、すでに高値から下落しているカードがあります。過去の2023年のポケカバブルでは、一部の高額カードがわずか約1か月で8割以上下落した事例もありました。
本記事では、2025年から2026年にかけての実際の価格推移をもとに、現在の相場がバブルと考えられる理由や、すべてのカードが上がり続けるわけではない理由を解説します。
さらに、2023年のポケカバブルが崩れた背景を振り返りながら、高騰相場を冷静に見るためのポイントと、2026年の相場が今後どのように動く可能性があるのかを考えていきます。
2026年のポケモンカード市場は、バブル相場に入っていると考えられます。
その理由は、単に高額カードの価格が上がっているだけではありません。前年までと比べ、相場の上昇スピードが明らかに速くなっているためです。
その象徴的な事例が、ゴッホピカチュウとメガリザードンYex MURです。

ゴッホピカチュウのPSA10は、2025年1月8日の約8万7,000円から、同年12月2日には約24万円まで上昇しました。2025年の約1年間における上昇額は、約15万3,000円です。
一方、2026年1月5日時点では約27万5,000円でしたが、5月1日には約57万円まで上昇しました。わずか約4か月で約29万5,000円上昇しており、前年1年間の上昇額を大きく上回っています。
グラフを見ると、2025年後半から上昇が強まり、2026年に入ってさらに価格の伸びが加速したことが分かります。
その後は調整が入り、6月18日時点では約50万円まで下落しました。ただし、年初の約27万5,000円と比べれば、依然として約82%高い水準です。
また、PSA10認定枚数は6月18日時点で48,916枚となっています。認定枚数が非常に多いカードでありながら50万円前後の相場を維持している点からも、需要の強さがうかがえます。

メガリザードンYex MURも、2026年のバブル相場を象徴するカードの一つです。
未鑑定品は、2025年12月24日の約20万円から、2026年4月には約100万円まで上昇し、6月18日時点では約110万円となりました。
PSA10はさらに大きく動いています。2026年1月22日の約90万円から、3月には約220万円、4月20日には約410万円まで上昇しました。約3か月で価格は約4.6倍になっています。
その後、PSA10は5月21日に約345万円、6月18日には約335万円まで下落しました。4月の高値からは調整していますが、年初の約90万円と比べると、なお約3.7倍の水準です。
PSA10認定枚数は、5月21日の205枚から6月18日には260枚へ増加しました。認定枚数が増える中でPSA10はやや下落した一方、未鑑定品は100万円から110万円へ上昇しており、同じカードでも未鑑定品とPSA10で異なる値動きが見られます。
ポケモンカードでは、過去にも高額カードが注目を集めた時期がありました。しかし、2026年の特徴は、数か月という短い期間で価格水準が大きく変わっていることです。
ゴッホピカチュウは、前年1年間の上昇額を約4か月で上回りました。メガリザードンYex MURも、未鑑定品・PSA10ともに短期間で数倍まで高騰しています。
直近では一部に調整も見られますが、年初と比べれば依然として大幅に高い水準です。こうした上昇幅と速度を踏まえると、2026年のポケモンカード市場は、通常の相場上昇というよりもバブル相場に近い状態と考えるのが自然でしょう。
ポケモンカードの高騰というと、ピカチュウやリザードン、リーリエなど、人気や知名度の高いカードを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、近年の相場上昇は、一部の高額カードだけに限られていません。2025年には、これまで相場面で大きく注目されてこなかったカードや、数千円台のPSA10にも価格上昇が広がっていました。
その一例が、ガラルファイヤー ARのPSA10です。

ガラルファイヤー ARのPSA10は、2025年1月1日時点で約3,000円でした。その後、7月には約5,000円、12月には約1万円まで上昇しています。2025年の約1年間で価格は約3.3倍、上昇率では約233%となりました。
2026年に入ってからは、2月に約8,000円、5月に約1万1,000円、6月19日時点では約1万円で推移しています。
大きな上昇は主に2025年中に起きているため、「2026年に急騰したカード」とするのは正確ではありません。一方、2026年6月時点でも約1万円を維持しており、2025年初頭の水準には戻っていません。
ガラルファイヤー ARは、もともと高額カードではなく、相場面でも定番の人気カードとは異なる位置にありました。
こうしたカードが約3倍まで上昇したことは、高騰が有名な高額カードだけでなく、低価格帯やマイナー寄りのカードにも広がっていたことを示す一例です。
もちろん、個別カードの上昇理由を一つに限定することはできません。ポケモンやイラストの人気、収録商品、PSA10の流通量など、複数の要素が相場に影響します。また、1枚の事例だけで「すべての低価格カードが上がった」と判断することもできません。
重要なのは、2025年の段階ですでに高騰の裾野が広がり、2026年に入って一部の高額カードで上昇速度がさらに加速したという流れです。
2026年のポケモンカード市場には強い高騰感がありますが、すべてのカードが同じ時期に、同じように上がり続けるわけではありません。
市場全体が高値圏にある中でも、すでにピークを迎え、下落に転じたカードがあります。その一例が、メガカイリューex MURです。

メガカイリューex MURのPSA10は、2026年3月19日の約9万3,000円から、4月18日には約16万円まで上昇しました。約1か月で約72%の上昇です。
しかし、その後は5月19日に約13万円、6月18日には約10万2,000円まで下落しました。4月の高値からは約36%下落しています。
未鑑定品も、3月19日の約2万5,000円から5月19日には約4万4,000円まで上昇した後、6月18日には約3万2,000円まで下落しました。直近約1か月では、未鑑定品が約27%、PSA10が約22%下落しています。
グラフからも、未鑑定品とPSA10がともに急騰した後、調整へ入っていることが分かります。
メガカイリューex MURでは、価格が下落した時期と重なるように、PSA10認定枚数も増加しました。
2月から6月までの約4か月で3,815枚増加しています。特に5月19日から6月18日までの増加数は1,642枚で、前月の822枚増に比べて約2倍のペースでした。
認定枚数が増えれば、市場に流通するPSA10も増える可能性があります。需要に対して供給が大きく増えれば、価格を維持しにくくなる場合もあります。
ただし、今回の下落が認定枚数の増加だけで起きたと断定することはできません。高値圏での需要の変化や、ほかのカードへの資金移動、市場全体の動きなど、複数の要因が考えられます。
調整が見られるのはメガカイリューex MURだけではありません。ゴッホピカチュウやメガリザードンYex MURのPSA10も、高値からは下落しています。
ただし、いずれも年初と比べれば依然として高い水準であり、現時点でポケカバブル全体が崩れたと判断するのは早いでしょう。
バブル相場では、市場全体が一斉に上昇し、一斉に下落するとは限りません。あるカードが高騰を続ける一方で、別のカードでは先に調整が始まることがあります。同じカードでも、未鑑定品とPSA10で異なる値動きをする場合があります。
「ポケカ全体が上がっているから、このカードも上がり続ける」と考えず、カードごとの価格推移や流通量を見ることが大切です。

ポケモンカードの相場が大きく高騰したのは、2026年が初めてではありません。
2023年にも高額カードを中心に相場が急上昇し、いわゆる「ポケカバブル」と呼ばれる状況が起きました。しかし、一部のカードでは相場の流れが変わった後、短期間で大幅な下落が見られました。
代表的な事例が、がんばリーリエとエクバリーリエのPSA10です。
| カード名 | 2023年6月上旬の相場 | 2023年7月中旬の相場 | 下落率 |
|---|---|---|---|
| がんばリーリエ PSA10 | 約1,050万円 | 約180万円 | 約83% |
| エクバリーリエ PSA10 | 約3,300万円 | 約500万円 | 約85% |
※いずれもPSA10について、各時点で確認した相場の目安です。
いずれも、約1か月で価格水準が大きく変わった事例となります。
2023年のバブルが崩れた背景には、相場の過熱だけでなく、PSA鑑定品をめぐる信用不安もありました。
当時問題となったのが、PSA鑑定品を装った偽造品の流通です。ケースやラベルを含めた偽造への懸念が広がり、PSAケースに入っているカードであっても、安心して購入できるとは限らないという不安が生まれました。
さらに、一部のカードショップでは、PSAを含む鑑定品の買取停止が行われました。店舗による買取は、所有者がカードを現金化するための重要な売却先です。その受け皿が減れば、売却を希望する人に対して買い手が不足しやすくなります。
特に数百万円から数千万円の高額カードは、もともと購入できる人が限られます。そこへ偽造問題による信用不安と買取停止が重なり、相場の下落を加速させた可能性があります。
ただし、これらだけで2023年のバブル崩壊のすべてを説明できるわけではありません。短期間での過度な価格上昇、利益確定を目的とした売却、相場下落を見た所有者の売り急ぎなど、複数の要因が重なったと考えるのが自然です。

高額カードは購入できる層が限られるため、一般的な価格帯のカードよりも取引件数が少なくなりやすいと考えられます。
取引の少ない市場では、一部の高額成約によって相場が大きく上昇する一方、買い手が減った際には、価格を大幅に下げなければ取引が成立しないことがあります。
この関係を考えるうえで参考になるのが、Yakov Amihudが2002年に発表した「Illiquidity and Stock Returns: Cross-Section and Time-Series Effects」です。同研究では、少ない売買金額に対して価格が大きく変動するほど、市場の流動性が低いと捉えています。
この研究は株式市場を対象としたもので、ポケモンカードの価格下落を直接検証したものではありません。しかし、取引の少ない市場では、一部の売買が価格へ与える影響が大きくなりやすいという考え方は、高額カードの相場を見るうえでも参考になります。
2023年は信用不安と買取停止によって市場の買い手が一時的に減少し、もともと取引の少ない高額カードで流動性がさらに低下したことが、値動きを大きくした要因の一つだったと考えられます。
ただし、当時のすべての成約件数や購入希望者数を確認できているわけではないため、流動性の低下だけが暴落の原因だったと断定することはできません。
流動性の低い市場は、下落しやすいというよりも、少数の取引によって価格が上下に大きく動きやすい市場です。買い手が増えれば急騰し、高値で購入する人が減れば急落することがあります。
そのため、単発の高額成約だけでなく、同じ価格帯で取引が継続しているかを見ることが重要です。
もちろん、2026年の相場が2023年と同じ流れをたどるとは限りません。当時と現在では、注目されているカードや流通量、PSA10認定枚数、国内外の需要などが異なります。
一方で、過去に約1か月で8割を超える下落が起きたことは、高騰相場を見るうえで無視できない事実です。現在の価格が大きく上昇していても、その価格帯で継続的に取引が成立し、今後も相場が維持されるとは限りません。
ポケモンカードの相場が急上昇すると、「まだ上がるのではないか」「今の価格が新しい相場なのではないか」と感じることがあります。
しかし、高騰相場では一部の取引価格が目立ち、実際の市場よりも相場が強く見える場合があります。価格が短期間で大きく動いている時ほど、一つの数字だけで判断せず、複数の情報を組み合わせることが大切です。
オークションやフリマサイトでは、従来の相場を大きく上回る価格で取引が成立することがあります。
ただし、1件の高額取引があったからといって、その価格が市場全体の相場になったとは限りません。特に高額カードは取引件数が少なく、一つの成約が相場へ与える影響も大きくなります。
高額な取引を確認した時は、その前後にも同じ価格帯で取引が成立しているかを確認する必要があります。
フリマサイトやカードショップに表示されている価格は、売り手が希望する販売価格です。その価格で掲載されていても、実際に購入されていなければ、売買が成立する価格とはいえません。
特に高騰時には、直近の高額取引を参考に、さらに高い価格で出品されることがあります。相場を見る際は、現在の販売価格だけでなく、実際の成約価格も確認することが重要です。
同じカードでも、状態や取引時期、取引方法によって価格に差が出ます。未鑑定品では、傷や白欠け、センタリングなどが価格へ大きく影響します。PSA10も、取引場所やタイミングによって成約価格は一定ではありません。
一つの取引だけでなく、複数の成約価格と一定期間の推移を見ることで、短期間の急騰なのか、時間をかけた上昇なのかを判断しやすくなります。
PSA10認定枚数が増えると、市場に流通する鑑定品も増える可能性があります。需要を上回るペースで供給が増えれば、価格を維持しにくくなる場合があります。
一方、認定枚数が多いからといって、必ず下落するわけではありません。ゴッホピカチュウは認定枚数が48,916枚ありながら、6月18日時点で約50万円を維持しています。反対に、メガリザードンYex MURは認定枚数が260枚と少ないものの、高値からは調整しました。
重要なのは認定枚数だけでなく、その枚数に対してどの程度の需要があるか、市場に実際にどれほど流通しているかを見ることです。
短期間で大きく高騰したカードは、その後に調整が入ることがあります。
特にPSA10は、希少性や鑑定結果への期待が上乗せされ、未鑑定品との価格差が急速に広がる場合があります。メガリザードンYex MURでは、2026年3月にPSA10が未鑑定品の約6倍まで上昇しましたが、その後はPSA10が下落し、価格差が縮小しました。
未鑑定品との価格差が短期間で大きく広がっている場合は、その差が今後も維持されるのかを慎重に見る必要があります。
ポケモンカードの相場には、人気や希少性だけでなく、成約価格、取引件数、流通量、PSA10認定枚数、未鑑定品との価格差など、さまざまな要素が影響します。
高騰しているという事実だけで判断せず、複数の取引と過去の推移を確認しながら、カードごとの相場を冷静に見ることが大切です。
2026年のポケモンカード市場では、短期間で価格が数倍になったカードや、前年1年間の上昇額を数か月で上回ったカードが見られます。こうした上昇の速さを踏まえると、現在の市場はバブル相場に入っていると考えられます。
今回の高騰は2026年に突然始まったものではありません。2025年には、低価格帯や相場面ではマイナー寄りだったカードにも価格上昇が広がり、2026年に入って一部の高額カードで上昇速度がさらに加速しました。
一方、メガカイリューex MURのように急騰後に下落したカードや、ゴッホピカチュウ、メガリザードンYex MURのように高値から調整しているカードもあります。
2026年は、ポケモンカードゲームが30周年を迎える節目の年です。市場への注目が続く可能性はありますが、30周年への期待だけで、すべてのカードが同じように上昇するとは限りません。
今後は、ポケモンやイラストの人気、流通量、PSA10認定枚数、実際の需要によって、カードごとの値動きにさらに差が出る可能性があります。
過去には、がんばリーリエやエクバリーリエのPSA10が約1か月で8割以上下落しました。ただし、2026年も同じ下落が起きるとは限りません。現在がバブル相場であることと、その相場がいつ下落へ転じるかを予測できることは別です。
相場が大きく上昇している時ほど、単発の高額取引や出品価格だけで判断せず、複数の成約価格、一定期間の推移、PSA10認定枚数、流通量などを確認することが大切です。
また、高額カードをすぐに売却したくないものの、一時的に資金が必要な場合には、カードを手放さずに資金を用意できる質預かりという選択肢もあります。
売却するか、保有を続けるか、質預かりを利用するかは、それぞれの目的や状況によって異なります。相場が大きく動いている時ほど、周囲の熱気だけに流されず、自分の状況に合った方法を慎重に選ぶことが重要です。
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論文
Yakov Amihud, “Illiquidity and Stock Returns: Cross-Section and Time-Series Effects,” Journal of Financial Markets, Vol. 5, Issue 1, 2002, pp. 31–56.
ScienceDirect掲載ページ
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