

2026.08.03
2026年7月の金相場は、国内・海外ともに月初を上回って取引を終えましたが、月内では上昇と下落を繰り返す不安定な展開となりました。
海外金相場は月中に一時4,000ドルを下回った後、月末にかけて大きく持ち直しています。一方、為替は月後半に164円目前まで円安が進んだものの、月末の為替介入によって160円台まで急速に円高へ転じました。
この記事では、2026年7月の国内金相場・為替・海外金相場の値動きと、相場に影響した主なニュースを振り返ります。
7月1日の22,846円/gから上昇し、7月6日には23,672円/gまで値を上げました。その後は下落し、14日に22,742円/gの月内安値を記録しています。
月後半には再び上昇し、23日に23,689円/gの月内高値をつけましたが、月末は23,039円/gとなりました。月初と比べると193円高く、上昇率は約0.8%です。
7月1日の4,038.5ドル/ozから上昇し、7日に4,167.5ドル/ozの月内高値を記録しました。
その後は下落し、17日に3,992.1ドル/ozの月内安値をつけましたが、月後半は再び上昇しました。月末は4,160.6ドル/ozとなり、月初から約3.0%上昇しています。
7月1日は162.62円でスタートしました。月後半に円安が進み、29日には163.85円の月内高値を記録しています。
しかし、31日には日米協調介入によって160.18円まで急速に円高が進み、月内安値で取引を終えました。月初から月末までは2.44円の円高です。
7月の海外金相場は月初から月末にかけて約3.0%上昇しましたが、為替が円高方向へ進んだため、国内金相場の上昇率は約0.8%にとどまりました。
月内では、中東情勢や米国の経済指標に加え、歴史的な円安と月末の為替介入が重なり、国内・海外・為替のいずれも大きく上下する展開となりました。
7月は、ホルムズ海峡を巡る緊張による安全資産需要と、原油高によるインフレ再加速への警戒が同時に意識されました。
また、米国では雇用や物価、GDPに減速の兆しが見られた一方、個人消費や設備投資は底堅く、FRBの金融政策を巡る見方が定まりにくい状況が続きました。

2026年7月の国内金相場の主な数値を整理すると、以下の通りです。
上のグラフを見ると、2026年7月の国内金相場は、月初から上昇した後に下落し、月後半に再び高値をつけるなど、方向感の定まりにくい値動きとなりました。
7月1日は22,846円/gでスタートしました。その後は上昇が続き、7月3日に23,443円/g、7月6日には23,672円/gまで値を上げています。
しかし、月初の上昇は長く続かず、7月8日には23,384円/g、13日には23,213円/gまで下落しました。さらに14日には前回取引日から471円下落し、22,742円/gの月内安値を記録しています。
翌15日には23,107円/gまで反発したものの、その後も不安定な値動きが続き、17日には再び22,762円/gまで下落しました。
月後半に入ると相場は持ち直し、7月22日には前回取引日から569円上昇して23,459円/gとなりました。翌23日には23,689円/gまで上昇し、これが7月の月内高値となっています。
ただし、その後は高値を維持することができず、24日には23,298円/gまで下落しました。27日に23,520円/gまで値を戻したものの、月末にかけて再び水準を切り下げ、7月31日は23,039円/gで取引を終えています。
月初の22,846円/gと月末の23,039円/gを比べると、1か月で193円高く、上昇率は約0.8%となりました。
このように2026年7月の国内金相場は、月初と月末だけを比べると小幅な上昇となりましたが、月内では22,742円/gから23,689円/gまで947円の値幅があり、上昇と下落を繰り返した1か月だったと整理できます。

2026年7月の為替相場(ドル/円)の主な数値を整理すると、以下の通りです。
上のグラフを見ると、2026年7月の為替相場は、月前半に161円台まで円高が進んだ後、月後半には163円台まで円安が進みました。しかし、月末には急速に円高方向へ動き、月内安値で取引を終えています。
7月1日は162.62円でスタートしました。その後は円高方向へ動き、7月3日には161.44円まで下落しました。7月6日も161.45円となり、月初にかけて円高が進む展開となっています。
その後は再び円安方向へ戻り、7月9日には162.53円まで上昇しました。月中は161円台後半から162円台前半を中心に推移し、方向感の定まりにくい値動きが続きます。
後半に入ると円安の動きが強まり、7月22日には163.18円まで上昇しました。24日には163.83円となり、その後も163円台後半での推移が続いています。
7月29日には163.85円まで円安が進み、これが7月の月内高値となりました。
しかし、月末には流れが大きく変わります。7月30日は163.30円まで下落し、翌31日には160.18円まで急速に円高が進みました。29日の163.85円と比べると、わずか2日間で3.67円の円高となっています。
月初の162.62円と月末の160.18円を比べると、1か月で2.44円の円高となりました。
このように2026年7月の為替相場は、月後半にかけて163円台まで円安が進んだものの、月末に急速な円高へ転じ、月内安値で取引を終えた1か月だったと整理できます。

2026年7月の海外金相場(ドル建て)の主な数値を整理すると、以下の通りです。
2026年7月の海外金相場は、月初に上昇した後、月中にかけて下落し、月後半に再び持ち直す展開となりました。
7月7日には4,167.5ドル/ozの月内高値を記録しましたが、その後は水準を切り下げ、17日には3,992.1ドル/ozまで下落しています。
後半は再び上昇し、月末の31日には4,160.6ドル/ozまで値を戻しました。
月初と月末を比べると122.1ドル高く、上昇率は約3.0%となりました。月中には一時4,000ドルを下回ったものの、最終的には月内高値に近い水準で取引を終えています。
2026年7月は、海外金相場が月初から月末にかけて約3.0%上昇した一方、為替は162.62円から160.18円まで円高方向へ進みました。
この円高が海外金相場の上昇を一部打ち消したため、国内金相場の上昇率は約0.8%にとどまりました。
海外金が上昇しても、為替の動きによって国内価格の上昇が抑えられるという、円建て金価格の特徴が表れた1か月だったといえます。
2026年7月の金相場は、中東情勢の緊迫化や米国の経済指標、ドル円相場の大きな変動に影響を受けました。
地政学リスクによる安全資産需要が意識される一方、原油高を通じたインフレへの警戒も続き、FRBの金融政策を巡る見方も揺れ動きました。
ここからは、7月の金相場に影響した主なニュースを振り返ります。
2026年7月は、ホルムズ海峡を中心に中東情勢が再び緊迫し、原油やLNGの輸送を巡る懸念が強まりました。
7月7日には、ホルムズ海峡を航行していたカタールとサウジアラビアのタンカーを含む3隻が、イランによるものとみられる攻撃を受けました。カタールとサウジアラビアはイランを非難し、米政府当局者も、初期情報としてイランが商船3隻を攻撃した兆候があると明らかにしています。ただし、イラン政府は攻撃への関与について公式なコメントを発表していません。
翌8日には、トランプ米大統領がイランとの停戦覚書について「終わった」と発言し、イランへの追加攻撃を警告しました。米軍がイランの主要な石油拠点であるカーグ島を攻撃したことも明らかになり、停戦への期待が大きく後退します。
さらに12日には、イラン革命防衛隊海軍がホルムズ海峡の閉鎖を宣言しました。米国による地域への関与が終わるまで、船舶や海軍艦艇の通航を認めない方針を示しており、世界のエネルギー輸送への不安が一段と強まりました。
後半には、親イラン武装組織フーシ派がサウジアラビアに対する海上封鎖を宣言し、原油輸送を巡る懸念は紅海側にも広がりました。紅海の入り口に位置するバベルマンデブ海峡が全面的に封鎖された場合、サウジアラビアのアジア向け原油輸出が止まり、世界の原油供給量が約7%減少する可能性も指摘されています。
一方、同じ7月20日には、米国とイランの戦闘を10日間停止する案が仲介国からイラン側に伝えられるなど、緊張緩和に向けた外交的な動きも見られました。7月の中東情勢は、攻撃の激化と停戦への動きが交錯する不安定な状態だったといえます。
中東情勢の悪化は、安全資産としての金需要を支える材料になります。しかし、エネルギー供給への不安から原油価格が上昇すれば、インフレ再加速や金融引き締めへの警戒が強まり、金相場の重しとなる場合もあります。
実際に7月の海外金相場は、月前半に月内高値をつけた一方、月中には一時4,000ドルを下回りました。このように7月は、地政学リスクが金相場を支える一方、原油高やインフレへの警戒も強まり、複雑な値動きにつながったと考えられます。
2026年7月は、米国の雇用や物価に減速の兆しが見られた一方、個人消費や設備投資は堅調で、FRBの金融政策を巡る見方が揺れ動きました。
7月2日に発表された米6月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から5万7,000人増加しました。市場予想の11万人増を大きく下回り、4月と5月の雇用者数も合計7万4,000人下方修正されています。また、失業率は4.2%へ低下したものの、労働参加率は約5年ぶりの低水準となりました。
雇用の減速を受けて、FRBが早期に利上げするとの見方は後退しました。金は利息を生まないため、利上げ観測の後退は金相場を支える材料になります。ただし、賃金の伸びはわずかに加速しており、FRBが引き続き物価動向を重視するとの見方も残りました。
7月14日に発表された米6月消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.5%上昇となり、5月の4.2%から伸びが鈍化しました。食品とエネルギーを除くコアCPIも2.6%上昇まで鈍化しており、インフレ圧力が弱まっていることが示されています。
一方、CPIの鈍化は主にエネルギー価格の下落によるものでした。7月には米国とイランの衝突によって原油価格が再び上昇していたため、市場ではインフレが再加速する可能性も警戒されました。
月末に発表された米第2四半期GDP速報値は、年率換算で前期比1.5%増となり、市場予想の2.1%増を下回りました。ただし、個人消費は3.2%増、企業の設備投資は15.2%増となっており、米国の内需は依然として底堅い状態でした。
また、FRBが重視する6月のPCE価格指数は前年同月比3.7%上昇となり、5月の4.1%から伸びが鈍化しました。コアPCE価格指数も3.3%上昇まで鈍化していますが、中東情勢による原油高によって、物価の鈍化が一時的となる可能性も指摘されています。
このように7月の米国経済は、雇用やGDP、物価に減速の兆しが見られた一方、消費や設備投資は堅調でした。利上げ観測の後退は金相場を支える材料となりましたが、原油高によるインフレ再加速への警戒も残り、金融政策の方向を見極めにくい1か月だったと整理できます。
2026年7月のドル円相場は、月後半に円安が加速し、7月23日には一時163円99銭まで上昇しました。2024年につけた161円95銭を上回り、約40年ぶりの円安水準となっています。
円安の背景については、中東情勢による「有事のドル買い」だけでなく、日銀の利上げの遅れや、財政悪化に対する市場の懸念が影響した可能性があるとの見方も出ています。
急速な円安は、円建てで取引される国内金相場を押し上げる材料となります。実際に、海外金相場が上昇し、為替も163円台まで円安が進んだ7月23日には、国内金相場が23,689円/gの月内高値を記録しました。
しかし、月末には為替相場の流れが大きく変わります。
7月31日には、日本と米国が協調して円を買う為替介入を実施しました。これを受けて、ドル円相場は7月29日の163.85円から、31日には160.18円まで急速に円高方向へ動いています。
7月31日の海外金相場は4,160.6ドル/ozまで上昇しましたが、為替介入による円高が円換算価格を抑えたため、国内金相場は23,039円/gにとどまりました。
このように7月の為替相場は、月後半の歴史的な円安が国内金相場を押し上げた一方、月末の日米協調介入による円高が、その押し上げ効果を弱めた1か月だったと整理できます。
2026年7月の国内金相場は、月初の22,846円/gから月末には23,039円/gとなり、1か月で193円、約0.8%上昇しました。
月内では上昇と下落を繰り返し、7月14日に22,742円/gの月内安値、23日には23,689円/gの月内高値を記録しています。
海外金相場は、月中に一時4,000ドルを下回ったものの、その後は持ち直し、月末には4,160.6ドル/ozまで上昇しました。月初からの上昇率は約3.0%です。
一方、為替は月後半に一時164円目前まで円安が進んだ後、7月31日の日米協調介入を受けて160円台まで円高へ転じました。
そのため、海外金相場が上昇した一方、円高が円換算価格を抑え、国内金相場の上昇率は約0.8%にとどまりました。
ニュース面では、ホルムズ海峡でのタンカー攻撃や海峡閉鎖の宣言など、中東のエネルギー輸送を巡る懸念が強まりました。
こうした地政学リスクは安全資産としての金需要を支える一方、原油高によるインフレ再加速への警戒にもつながっています。
米国では、雇用やGDP、物価指標に減速の兆しが見られましたが、個人消費や設備投資は底堅く、FRBの金融政策を巡る見方は定まりませんでした。
このように2026年7月の金相場は、中東情勢や米国の経済指標、歴史的な円安と月末の為替介入が重なり、月内で大きく上下しながらも、最終的には国内・海外ともに月初を上回って取引を終えた1か月だったと整理できます。
本記事の作成にあたり、以下の報道・資料を参照しました。