

2026.09.03
2026年8月の金相場は、国内・海外ともに大きく上昇しました。
国内金相場は月初の22,268円/gから月末には25,061円/gまで上昇し、月内では26,000円/gを超える場面も見られました。海外金相場も4,100ドル前後から大きく水準を切り上げています。
一方、月後半には米国のインフレ指標やFRBの金融政策を巡る見方が変化し、海外金相場は月内高値から下落しました。また、為替相場では7月末の大規模な円買い介入後も再び円安が進み、月末には1ドル=160円台となっています。
この記事では、2026年8月の国内金相場・為替・海外金相場の値動きと、相場に影響した主なニュースを振り返ります。
8月3日の22,268円/gから上昇し、25日には26,168円/gの月内高値を記録しました。
月末は25,061円/gとなり、月初と比べて2,793円、約12.5%上昇しました。
8月3日の4,107.0ドル/ozから大きく上昇し、25日には4,697.8ドル/ozの月内高値をつけました。
その後はやや下落し、月末は4,529.9ドル/ozとなりました。月初からの上昇率は約10.3%です。
8月3日は157.57円でスタートし、月内では157円台から160円台の間で推移しました。
月末の31日は160.11円となり、月初と比べて2.54円の円安となりました。
8月は、海外金相場が約10.3%上昇したことに加え、為替も円安方向へ進んだことで、国内金相場は約12.5%の大幅上昇となりました。
一方、海外金相場は25日に月内高値を記録した後、月末にかけて下落しています。
月前半は米国の雇用・物価指標を受けてFRBの利上げ観測が後退しましたが、月後半にはインフレの高止まりやジャクソンホール会議を受けて、再び利上げへの警戒が強まりました。
また、為替市場では7月末の大規模な円買い介入後も円安が進み、月末には再び160円台となっています。

2026年8月の国内金相場の主な数値を整理すると、以下の通りです。
2026年8月の国内金相場は、月初から大きく上昇し、月後半には26,000円/gを超える展開となりました。
8月3日は22,268円/gでスタートし、その後は上昇傾向が続きました。月中には24,000円台後半まで水準を切り上げ、20日には25,000円/gを突破しています。
後半も高値圏での推移が続き、25日には26,168円/gまで上昇しました。これが8月の月内高値で、月初の22,268円/gと比べると3,900円/g高い水準です。
その後はやや下落し、月末の31日は25,061円/gで取引を終えました。
月初と月末を比べると、1か月で2,793円/g上昇し、上昇率は約12.5%となっています。
このように8月の国内金相場は、月内で多少の上下はあったものの、全体としては大きく水準を切り上げた1か月だったと整理できます。

2026年8月の為替相場(ドル/円)の主な数値を整理すると、以下の通りです。
2026年8月のドル円相場は、月初の157円台から月中にかけて円安方向へ進み、一時160円近くまで上昇しました。
8月3日は157.57円でスタートし、4日には157.53円の月内安値を記録しました。その後は円安方向へ動き、月中には159円台後半まで上昇しています。
月後半には一時円高方向へ動き、20日には158.25円まで下落しました。その後は再び159円前後まで戻り、月末の31日には160.11円まで上昇しています。
160.11円は8月の月内高値でもあり、月初の157.57円と比べると、1か月で2.54円の円安となりました。
このように8月のドル円相場は、途中で円高へ戻る場面もありましたが、月全体では円安方向へ進み、月内高値で取引を終えた1か月だったと整理できます。

2026年8月の海外金相場(ドル建て)の主な数値を整理すると、以下の通りです。
2026年8月の海外金相場は、月初の4,100ドル前後から大きく上昇し、月後半には4,600ドル台まで水準を切り上げました。
8月4日に4,090.5ドル/ozの月内安値を記録した後は上昇基調となり、月中には4,400ドル台、20日には4,500ドル台まで上昇しています。
月後半も上昇が続き、24日には4,680.6ドル/oz、25日には4,697.8ドル/ozまで上昇しました。これが8月の月内高値です。
その後は高値圏で推移したものの、月末の31日には4,529.9ドル/ozまで下落して取引を終えました。
月初の4,107.0ドル/ozと月末の4,529.9ドル/ozを比べると、1か月で422.9ドル上昇し、上昇率は約10.3%となっています。
このように8月の海外金相場は、月初に安値をつけた後は大きく上昇し、月末にやや値を下げたものの、月全体では大幅な上昇となった1か月だったと整理できます。
2026年8月の金相場は、米国の金融政策を巡る見方や長期金利、中東情勢、為替相場など複数の材料に影響を受けました。
簡単に整理すると、月前半は「FRBがすぐには利上げしない」との見方が強まり金相場を支えた一方、月後半は再び利上げへの警戒が強まり、海外金相場は月内高値から下落しました。
また、月中には米財務省による国債買い戻しの拡大を受けて長期金利が低下する場面もありました。中東では米国とイランを巡る不透明感が続き、為替市場では7月末の大規模な円買い介入後も再び円安が進んでいます。
ここからは、8月の金相場に影響した主なニュースを振り返ります。
8月前半は、米国の雇用・物価指標が弱めの結果となり、FRBの利上げ観測が後退しました。
8月5日に発表された民間雇用指標が市場予想を下回ったことに続き、7日の米雇用統計では、農業部門を除く雇用者数が前月比2万3,000人減と、市場予想の8万人増に反して5カ月ぶりに減少しました。
さらに5月と6月の雇用者数も合計10万3,000人下方修正され、米国の労働市場に減速の兆しが意識されました。
物価指標も、月前半の利上げ観測を後退させる材料となりました。
8月12日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%上昇となり、6月の3.5%から小幅に鈍化しました。
翌13日の卸売物価指数(PPI)も前年同月比4.7%上昇と、6月の5.5%から伸びが鈍化し、市場予想の4.9%も下回っています。
こうした雇用・物価指標を受け、9月の利上げ確率は3割程度まで低下しました。
金は利息を生まないため、一般的に利上げ観測の後退や金利低下は金相場を支える材料になります。8月前半から中旬にかけての金相場上昇でも、こうした金融政策を巡る見方の変化が意識されました。
一方、月後半になると流れが変化しました。
8月26日に発表された7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、FRBがインフレ判断で重視する物価指標で、前年同月比3.7%上昇となりました。6月から横ばいで、市場予想の3.6%も上回ったことから、インフレの高止まりが意識されました。
さらに28日のジャクソンホール会議では、ウォーシュFRB議長が、基調的なインフレが目標に向かっていると確信できなければ「まだやるべきことがある」と述べ、物価安定を重視する姿勢を示しました。
市場では、追加利上げに前向きな「タカ派」的な発言と受け止められ、9月の利上げ確率は講演後に57%まで上昇しました。
海外金相場は25日に月内高値を記録した後、PCEの発表やジャクソンホール会議を経て、月末にかけて下落しています。
8月中旬の米国債市場では長期金利が上昇し、8月13日の米30年債入札では利回りが5.22%と、2001年以来の高水準を記録しました。
こうした長期金利の上昇は、金相場の上値を抑える材料となります。
その後、米財務省は8月19日、長期国債の買い戻し規模を拡大すると発表しました。国債の買い戻し拡大を受けて長期金利が一時低下し、金相場を支える材料となりました。
買い戻し規模は1回当たり20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増され、米30年債利回りは一時0.09ポイント低下して5.19%となっています。
その後は長期金利が再び上昇する場面も見られました。
8月の中東情勢は、月初に緊張緩和への期待が高まったものの、その後は米国とイランの主張が食い違い、不透明感が続きました。
月初、トランプ米大統領は、イランの核開発停止とホルムズ海峡の再開放に向けた合意を条件に、新たな対イラン攻撃を見送る考えを示しました。
しかし、イラン側は米国との協議を否定し、ホルムズ海峡の航行を巡ってはオマーンと協議していると説明しました。その後、8月18日にはトランプ大統領も「イランとの協議や対話は一切ない」と表明しています。
さらに月後半には、ベセント米財務長官が、イランと経済的なつながりを持つ国々に制裁措置を取る可能性を警告しました。
地政学リスクの高まりは安全資産としての金需要を支える一方、ホルムズ海峡を巡る問題は原油価格やインフレ見通しにも影響するため、金相場にとって単純な上昇材料だけではありません。
為替市場では、7月末の日米協調介入後も円安圧力が残り、8月末には再び1ドル=160円台まで円安が進みました。
財務省が8月28日に発表した7月30日から8月26日までの為替介入額は、15兆3,993億円となり、月次ベースで過去最大を記録しました。
7月末にはドル円相場が一時163円98銭まで円安となったことを受け、日本と米国が円買いの協調介入を実施しました。介入によって一時は円高方向へ大きく動いたものの、その後は再び円安が進み、28日には協調介入後で初めて160円台に到達しています。
この背景には、前述したジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長の発言を受け、米金利が上昇してドル買いが広がったこともありました。
円安は、ドル建ての海外金価格を円換算した国内金価格を押し上げる要因になります。
8月の国内金相場を押し上げた中心は海外金相場の上昇で、円安がさらに価格を押し上げました。一方、月末には米国の利上げへの警戒が再び強まり、海外金相場は月内高値を維持できず下落しています。
2026年8月の国内金相場は、月初の22,268円/gから月末には25,061円/gとなり、1カ月で2,793円、約12.5%上昇しました。
月内では8月25日に26,168円/gまで上昇し、26,000円/gを超える場面も見られました。その後はやや下落したものの、月末も25,000円/g台を維持しています。
海外金相場は、月初の4,107.0ドル/ozから月末には4,529.9ドル/ozとなり、約10.3%上昇しました。
さらにドル円相場も157.57円から160.11円まで円安方向へ進んだため、海外金の上昇と円安が重なり、国内金相場を大きく押し上げる展開となりました。
8月前半は、米国の雇用・物価指標を受けてFRBの利上げ観測が後退し、金相場を支える材料となりました。
一方、月後半にはPCEの高止まりやジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長の発言を受けて利上げへの警戒が再び強まり、海外金相場は月内高値から下落しました。
8月は、海外金相場そのものが大きく上昇したことに加え、円安も国内価格を押し上げ、国内金相場が大幅に上昇した1カ月だったと整理できます。
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