

2026.01.14
2025年12月のプラチナ相場は、月前半と後半で値動きの雰囲気が大きく異なる1か月でした。
前半は比較的落ち着いた推移が続きました。しかし、中旬以降は国内・海外ともに値動きが目立つ展開となりました。
11月のような調整中心の相場とは異なり、12月は月後半にかけて方向感のある動きが続いた点が特徴です。
このコラムでは、12月のプラチナ相場をデータとグラフをもとに振り返っていきます。
・12月のプラチナ相場は、中旬以降に急速に上昇し、月後半にかけて高値圏へ移行
・国内相場は、短期間で9,000円台から12,000円台後半まで水準を切り上げ
・海外相場の上昇が主導し、為替の影響は限定的だった
・EUの自動車政策見直しや、金価格高騰を受けた資金シフトが意識された月
・12月23日・24日には大幅な上昇が集中し、相場の評価が一段階引き上げられた印象
・値動きの大きさが際立つ月となり、高値圏での推移が今後の焦点

2025年12月の国内プラチナ相場(円/g)は、月前半は比較的落ち着いた推移でした。しかし、中旬以降に入ってからは値動きが目立つ展開となりました。
月初は前月からの流れを引き継ぐ形で、大きな上下はありませんでした。相場の変動は、一定のレンジ内での推移が中心となっておりました。
この期間は日々の値幅も比較的小さく、方向感は限定的でした。
一方で、中旬を境に相場の動きが変化します。
上昇する日の値幅が徐々に増大。それまでのレンジを上抜ける形で価格水準が切り上がりました。
月後半にかけては、上昇と小幅な調整を繰り返す値動きとなりました。しかし、全体としては高値圏を維持する推移となりました。
そのため、月末時点では、月前半と比べて明らかに高い水準で取引されました。

12月の為替相場(ドル/円)は、月を通して円安基調が続きました。
円高方向へ大きく振れる場面は少なかったです。その為、国内プラチナ相場にとっては、下値を支えやすい環境が維持されています。
12月は為替面では目立った急変動が見られませんでした。そのため、国内相場は、価格水準を切り上げたあとの動きを比較的安定して消化する形となりました。

2025年12月の海外プラチナ相場(ドル建て)は、月前半は比較的落ち着いた推移で、中旬以降に入ってから値動きが目立つ展開となりました。
月初から中旬にかけては、一定の価格帯の中で推移する場面が多く、日々の値幅も限定的でした。
この期間は、上昇・下落のいずれにも偏ることはありませんでした。相場の方向感の出にくい状態が続いていたことがグラフから確認できます。
一方で、中旬を境に相場の動きに変化が見られました。
上昇する局面が増え、価格水準が段階的に切り上がっていきます。
それまでのレンジを上抜ける形となり、月後半にかけては高値圏で推移する時間が長くなりました。
月末にかけては、上昇後の小幅な調整を挟みながらも、全体としては高い水準を維持して取引されています。
12月の海外プラチナ相場は、月前半と後半で値動きの性質が異なることが、グラフ上からはっきりと読み取れる1か月でした。

それぞれを重ねて確認すると、12月は両者がほぼ同じタイミングで上下している様子が見て取れます。
ただし、この動きは特別なものではありません。海外相場の変動が国内価格に反映されるという、プラチナ相場としては自然な値動きといえます。
注目したいのは、両者の動きに大きなズレが見られなかった点です。
為替の影響によって国内相場だけが先行・遅行する場面はあまりありません。そのため、12月は為替が相場の方向性を左右する局面が限定的だったことが、比較グラフからも確認できます。
月後半にかけては、海外相場の水準変化がそのまま国内相場に反映される形が続ました。
12月は、為替が相場の主役になることなく、海外相場の動きが比較的素直に反映された1か月だったといえます。
2025年12月のプラチナ相場は、月後半にかけて急速に水準を切り上げ、史上最高値圏に到達する動きとなりました。
この背景には、複数の材料が同時期に意識されたことが挙げられます。
ここでは、12月のプラチナ相場に影響した主なニュースを整理します。
12月中旬、欧州連合(EU)が2035年のガソリン車販売禁止方針について、柔軟な運用を認める方向で検討していると報じられました。
これまで市場では、EVシフトの進展により、排ガス触媒向けプラチナ需要は中長期的に縮小するとの見方が強まっていました。
しかし、内燃機関車を完全に排除しない方向性が示されたことで、触媒需要の先行きに対する見方が修正される形となります。
この政策見直しを受けて、プラチナ相場は月後半にかけて水準を切り上げ、月間ベースで大幅な上昇となりました。
市場では、需給構造の見直しが進む中で、プラチナの評価が改めて意識された局面と受け止められています。
12月は、金や銀が相次いで最高値を更新するなど、貴金属市場全体が強い地合いとなりました。
とくに金は、年初来で大幅な上昇となり、価格水準の高さから割高感を意識する投資家も増えていたとみられます。
こうした環境の中で、相対的に出遅れていたプラチナへと投資資金がシフトした可能性が指摘されています。
実際、金・銀の上昇と並行してプラチナも最高値を更新。貴金属市場内での資金移動が、12月後半の上昇を後押しした一因と考えられます。
12月は、米国とベネズエラを巡る緊張を背景に、中南米地域の地政学リスクが意識される場面もありました。
あわせて、市場では米金融政策を巡る見方にも注目が集まりました。
インフレ動向や景気指標を受けて、今後の利下げの方向性を慎重に見極めようとする動きが続き、金融市場全体に不透明感が残る状況となっていました。
こうした地政学面・金融政策面の不確実性は、プラチナの需給を直接左右するものではありません。
しかし、先行きが読みづらい局面では、貴金属市場全体が注目されやすい環境が生まれやすくなります。
12月は、EUの自動車政策見直しや投資資金のシフトといった主要材料に加え、このような市場環境も重なったことで、プラチナ相場が押し上げられやすい地合いだったといえるでしょう。
2025年12月のプラチナ相場は、月中旬以降に上昇の勢いが一気に強まり、短期間で価格水準が大きく切り上がりました。
ここでは、その中でも上昇幅が特に大きかった4日間を取り上げ、12月の上昇局面を振り返ります。
12月9日:9,004円/g
12月10日:9,211円/g(+207円)
この日は、月前半の調整局面から一転し、前日比で200円を超える上昇となりました。
8,000円台後半を中心とした推移から、9,000円台前半へと水準を切りあげました。この値動きは12月中旬以降の変化を感じさせる最初の上昇局面でした。
12月12日:9,194円/g
12月15日:9,470円/g(+276円)
週明けのこの日は、前週からの流れを引き継ぐ形で続伸しました。
価格帯は9,000円台半ばへと移行。それまでのレンジを明確に上抜ける動きとなっています。上昇基調がはっきりと意識され始めた1日でした。
12月22日:10,995円/g
12月23日:11,805円/g(+810円)
前日比で800円を超える急騰となり、国内プラチナ相場は一気に11,000円台へと到達しました。
この日の上昇を境に、相場は完全に高値圏へ移行しています。
12月23日:11,805円/g
12月24日:12,927円/g(+1,122円)
前日の急騰に続き、
この日は1,000円を超える異例の上昇となりました。
国内相場は12,000円台後半まで一気に切り上がり、12月後半の相場を象徴する1日となっています。
短期間で相場水準が大きく変化したことが、はっきりと確認できる局面でした。
12月10日・15日:上昇基調への転換点
12月23日・24日:急騰による水準の一段切り上げ
短期間で9,000円台 → 12,000円台後半へ移行
12月のプラチナ相場は、限られた日数の中で集中的に上昇したことが特徴的な月でした。
2025年12月のプラチナ相場は、月前半は比較的落ち着いた推移が続きました。一方で、中旬以降にかけては急速に水準を切り上げた1か月となりました。
とくに12月後半は、限られた日数の中で大きな上昇が集中しました。国内相場は短期間で9,000円台から12,000円台後半まで到達しています。
日別の値動きを振り返ると、相場の転換点と急騰局面がはっきりと分かれる月だったことが確認できます。
背景としては、EUの自動車政策見直しによる需給見通しの変化や、金価格の高騰を受けた貴金属市場内での資金移動など、複数の材料が同時期に意識されていました。
これらが重なったことで、12月後半は相場が一気に動きやすい環境となったと考えられます。
一方で、為替の影響は限定的でした。海外相場の動きが比較的素直に国内価格へ反映される展開でした。
そのため、12月の値動きは、為替主導というよりも、プラチナを取り巻く材料そのものが前面に出た月だったといえるでしょう。
12月は、プラチナ相場の評価が一段階引き上げられた月であると同時に、値動きの大きさが改めて意識された月でもありました。
今後は、高値圏での推移が続くのか、あるいは調整を挟みながら水準を固めていくのか、引き続き相場の動向を注視していきたいところです。
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