MENU

カドヤ質店からのお知らせ

2026年1月プラチナ相場レポート|急騰と急反落、転換点となった1か月

2026.02.12

はじめに

2026年1月のプラチナ相場は、12月の急騰を受けた高値圏からスタートしました。
1月前半はその水準を維持する動きが続きました。しかし、月末にかけては明確な下落局面も見られました。
1月は、高値圏を維持しながらも、月末の調整によって相場の勢いがいったん落ち着いた展開となりました。
本コラムでは、国内相場・海外相場・為替の動きを整理しながら、1月の値動きを振り返っていきます。

2026年1月のプラチナ相場をひと目で

🔸 国内プラチナ相場

月中旬から後半にかけて水準を大きく切り上げ、
1月23日には15,007円/gまで上昇。月内最大の上昇幅(+1,362円)を記録しました。

一方で、月末には前日比−943円の調整が入り、
高値圏で売りが優勢となる局面も見られました。

🔸 海外プラチナ相場(ドル建て)

地政学リスクや通商政策を巡る不透明感を背景に上昇基調が継続。
月後半は高値圏で推移しましたが、金融政策観測の変化を受けてやや反落しました。

🔸 為替(ドル/円)

月前半は円安水準で推移。
後半は円高方向へ動く場面も見られたが、為替主導というよりは海外相場の影響が大きい1か月だった。

🔸 1月相場の特徴

月中に急騰、月末に急反落。
ニュース材料に対する市場の反応が増幅され、ボラティリティが拡大しました。

🔸 注目ポイント

月末の調整は単なる値幅の問題ではなく、
上昇テンポが変化し始めた可能性を示す局面として注目されます。

国内相場と為替の動き

国内プラチナ相場の動き

2026年1月の国内プラチナ相場(円/g)は、月初12,379円からスタートしました。
月前半は12,000円台を中心に推移しましたが、中旬以降にかけて上昇幅が拡大します。

1月23日には15,007円/gを記録し、月間高値を更新しました。
この日は前日比+1,362円となり、1月の最大上昇幅となっています。

しかし、その後は高値圏での調整局面に入りました。
1月30日は前日比で大きく下落し、月末は13,599円/gで取引を終えています。

結果として、1月の国内相場は

・月初:12,379円/g
・月間高値:15,007円/g
・月末:13,599円/g

という推移となりました。

月中に15,000円台へ到達した一方で、月末は高値圏からの調整となっています。
月間レンジは約2,600円超となり、上昇局面と調整局面が同居した1か月だったことが確認できます。

為替の動き

2026年1月の為替相場(ドル/円)は、月前半は円安水準で推移しました。
一方で、月後半にかけては円高方向へ動く場面が見られました。
月初は156円台でスタートし、一時は159円台まで円安が進みました。しかし、その後は152円台まで円高が進行し、月内で流れが切り替わる展開となりました。
月を通して見ると、為替は一方向に動き続けたわけではなく、前半と後半でトーンが変化した推移となっています。

海外相場(ドル建て)の動きと国内相場との比較

海外プラチナ相場(ドル建て)の動き

2026年1月の海外プラチナ相場(ドル建て・NY市場終値)は、月初から中旬にかけて上昇基調が続きました。
月前半は比較的安定した推移でしたが、中旬以降は買いが強まり、高値を更新する場面も確認できます。

その後、月後半にかけては利益確定売りや金融政策観測の変化を背景に水準を切り下げました。
もっとも、月全体で見ると上昇局面の勢いが優勢でした。そのため、高値圏での調整という位置づけが適切でしょう。

グラフからは、月中に上昇局面が形成され、その後に落ち着きを取り戻す構造が確認できます。

国内相場との比較

国内相場と海外相場を重ねて確認すると、1月は上昇局面・調整局面ともに概ね同じ方向で推移していることが分かります。

月中の上昇局面では、海外相場の上昇に合わせて国内価格も大きく水準を切り上げました。
また、月後半の調整局面でも方向性はおおむね一致しています。

一方で、値幅の面では国内相場の変動がより大きくなっています。
これはドル建て価格の変動に加え、為替の影響が重なるためです。

なお、1月30日は国内相場が大きく下落した一方で、海外相場(NY市場終値)の下落幅は限定的でした。
この差は価格決定タイミングの違いによるものであり、方向性そのものが乖離したわけではありません。

総じて1月は、海外相場の動きを軸にしながら、為替の影響を受けて国内価格の振れ幅が拡大した1か月
と整理できます。

1月のプラチナ相場に影響した主要ニュースまとめ

2026年1月のプラチナ相場は、月前半の上昇局面と月末の急反落局面が明確に分かれる展開となりました。
地政学リスク、通商政策、金融政策といった複数の材料が重なり、相場の流れが月内で切り替わったことが特徴です。
ここでは、1月のプラチナ相場に影響した主なニュースを整理します。

🛢️ 中東・地政学リスクの高まり

1月3日、アメリカによるベネズエラへの軍事行動が報じられました。
これを受けて週明けの5日には、プラチナ相場も上昇しています。
さらに8日にはイラン国内で大規模な反政府デモが発生。その後、22日にはアメリカがイランに対する軍事的圧力を示唆する発言も伝えられました。
これらの動きは、貴金属市場全体でリスク回避姿勢を強める材料となました。その結果、プラチナ相場も月前半から中旬にかけて水準を切り上げる展開となりました。

🌍 グリーンランド問題と通商政策を巡る揺れ

1月6日には、アメリカ政府がグリーンランド領有に向けて軍の活用も検討しているとの報道が伝えられました。
続く17日には、欧州8カ国に対する10%の追加関税方針が示され、通商環境への不透明感が高まりました。
一方で、21日には関税見送りとNATOとの枠組み構築が報じられ、緊張緩和の動きも見られています。
プラチナは自動車触媒など工業用途の需要を抱える金属です。そのため、通商政策や国際関係の動向は需給見通しと結びつきやすい特徴があります。
結果、これらの報道が続いたことは、相場の振れ幅を拡大させる要因となりました。

🏦 金融政策を巡る不透明感

1月12日には、FRBのパウエル議長が政治的圧力を非難したとの報道が伝えられました。
この日はプラチナ相場も上昇しています。
その後、28日のFOMCでは政策金利の据え置きが決定されました。しかし、委員間の意見の違いが意識されました。
29日には貴金属市場全体が高値圏に位置していましたが、翌日状況は一変します。
30日、タカ派色の強いウォーシュ元FRB理事の次期議長の指名が報じられました。
その結果、プラチナ相場は同日に大幅な下落。月前半から続いていた上昇局面を一気に巻き戻す展開となりました。

⚠️ 月末急反落と転換点

1月30日の下落は、単なる月内の調整というよりも、相場の流れが切り替わる局面として強く意識されました。
月前半は地政学リスクや通商政策を背景に上昇基調が続きました。しかし、月末には金融政策を巡る報道をきっかけに方向性が変化します。
結果として1月は、複数の材料が交錯する中で、上昇と下落が明確に分かれた1か月となりました。
本コラムでは、この月末の急反落を単なる月内の値動きではなく、プラチナ相場全体の流れが変化し始めた可能性を示す局面として位置づけています。

相場が大きく動いた5日間を検証(2026年1月)

2026年1月の国内プラチナ相場は、月中旬から後半にかけて急速に水準を切り上げました。
しかし、月末には一転して大きな調整が入り、値動きの振れ幅が非常に大きい1か月となりました。
ここでは、前日比で特に変動幅が大きかった5日を、日付順に整理します。

🔹 1月13日(月)|+703円

1月9日:12,364円/g → 1月13日:13,067円/g(+703円)

祝日を挟んだ週明けに大幅上昇。
同日には、FRBのパウエル議長が政治的圧力を非難したとの報道されました。そのため、金融政策を巡る不透明感が意識されました。
中央銀行の独立性を巡る懸念が広がる中で、貴金属市場全体が強含み、プラチナも水準を切り上げました。

🔹 1月15日(木)|−839円

1月14日:13,112円/g → 1月15日:12,273円/g(−839円)

前日の高値圏から一転し大幅反落。
この頃は一時的にリスク緩和観測が広がり、短期資金の調整売りが出やすい状況でした。

上昇局面の中での大きな押し目形成といえます。

🔹 1月16日(木)|+1,007円

1月15日:12,273円/g → 1月16日:13,280円/g(+1,007円)

前日の下落をほぼ打ち消す急反発。
FRBの独立性を巡る報道や金融政策への不透明感が再び意識されました。その結果、金とともにプラチナも買い戻されました。

月中のボラティリティの高さを象徴する1日です。

🔹 1月23日(金)|+1,362円

1月22日:13,407円/g → 1月23日:14,769円/g(+1,362円)

23日は月内最大の上昇幅となりました。
前日には、イランへの艦隊派遣を示唆する発言が伝えられ、地政学リスクが再び強く意識されました。
また、グリーンランド問題を巡っては、欧州8カ国への追加関税方針が21日に見送られたものの、通商政策を巡る不透明感は依然として残っていました。
こうした材料が重なり、プラチナ相場は一気に上昇。
この日の動きにより、相場は高値圏へ移行しています。

🔹 1月30日(金)|−943円(1月最大の下落)

1月29日:14,542円/g → 1月30日:13,599円/g(−943円)

前日の高値圏から一転、1月最大の下落幅を記録しました。
タカ派色の強い人事観測が報じられ、市場の前提が急変。
それまで積み上がっていた買いポジションが一気に解消されました。
下落幅は月内で最大となり、上昇テンポの変化を示す動きとなりました。

🔍 整理

・変動幅上位5日はすべて月中旬以降に集中
・上昇3日、下落2日
・地政学リスクと金融政策が主な材料

2026年1月の国内プラチナ相場は、ニュース材料に対する市場の反応が増幅された、ボラティリティ拡大型の1か月でした。

1月の値動きを振り返って

2026年1月の国内プラチナ相場は、月中旬から後半にかけて急速に水準を切り上げました。
日次で1,000円を超える上昇が発生し、相場の勢いが明確に加速した局面が確認できます。

しかし、その勢いは月末にかけて変化が生じました。
1月30日は前日比−943円と月内最大の下落幅を記録し、それまで続いていた上昇テンポが明確に鈍化しました。

重要なのは、単なる下落幅の大きさではありません。
それまで「押せば買われる」構造だった相場が、高値圏で売り圧力に転じた点にあります。

1月は上昇局面と調整局面が明確に分かれた月でした。
その意味で、月末の値動きは上昇トレンドの勢いが転換し始めた可能性を示す局面と整理できます。

今後は、

・高値圏を再び回復できるのか
・調整が本格化するのか

この分岐を見極める局面に入っています。

1月は、上昇の加速と、その勢いが変質し始めた転換点を内包した1か月でした。

関連記事

2025年12月プラチナ相場レポート|中旬から急騰、高値圏へ移行した1か月
プラチナ投資の基礎と注目される理由|金との違いや長期需要を解説
質入れと買取の違い、どちらを選ぶべき?

出典・参照

■ 金価格・為替データ

田中貴金属工業|国内金・プラチナ・銀 公式店頭価格
為替情報(ドル/円)|Yahoo!ファイナンス

■ 地政学・国際情勢(中東・中南米)

米国、ベネズエラを攻撃(2026年1月3日)|Reuters
イランで反政府デモ(2026年1月8日)|BBC News Japan

トランプ氏、イランに艦隊派遣の可能性示唆(2026年1月22日)|Reuters

■ グリーンランド問題・通商政策

米政府、グリーンランド領有へ軍の活用も検討(2026年1月6日)|BBC News Japan

米国、欧州8カ国に10%追加関税を表明(2026年1月17日)|Reuters

トランプ氏「グリーンランド関税」見送り、NATOと合意枠組み構築(2026年1月21日)|日本経済新聞

■ 金融政策・FRB関連

パウエルFRB議長、政治的圧力を非難(2026年1月12日)|Bloomberg
FOMC、政策金利を据え置き(2026年1月)|Yahoo!ニュース
タカ派人事観測で金・銀急落(2026年1月29日)|Bloomberg

■ 金相場の記録的動き

金価格、史上初の3万円突破(2026年1月29日)|Yahoo!ニュース