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2025年9月ポケモンカード相場レポート ― ピカチュウ高騰と新弾リザードンXで再び熱気の市場へ

2025.10.14

はじめに

2025年9月のポケモンカード相場は、ピカチュウ関連の高騰と新弾「インフェルノX」の登場が注目を集めました。

特に「ゴッホピカチュウ」と「見返り美人ピカチュウ」は過去最高値を更新し、長く続いた落ち着いた相場に再び活気が戻りました。

本コラムでは、9月末時点の最新データをもとに、市場を動かした人気カード7選を中心に解説していきます。

ゴッホピカチュウ(PSA10)

最新相場:2025年9月30日時点で 280,000円

9月のゴッホピカチュウ PSA10は、前月の17万円から大幅に上昇し、月末には28万円に到達しました。
わずか1か月で約65%もの高騰を記録し、9月の相場を代表する1枚となりました。

特に中旬以降は取引数が急増し、海外需要の再燃に加えて国内コレクターの買い戻しも活発化。
一時は20万円台後半での取引が相次ぎ、過去最高値を更新しました。

6月にも大きな上昇を見せた本カードですが、夏以降は一時的に落ち着きを見せていました。
その後、9月に再び強い買いが入り、今年2度目の高騰局面を迎えた形です。

今後も供給が限られている以上、短期的な調整を挟みながらも高値圏を維持する展開が続くと見られます。

見返り美人ピカチュウ(PSA10)

最新相場:2025年9月30日時点で 300,000円

9月の見返り美人ピカチュウ PSA10は、前月の21万円から大幅に上昇し、月末には30万円に到達しました。
約1か月でおよそ43%の高騰を見せ、ゴッホピカチュウと並び9月の相場を牽引したカードのひとつとなりました。

7月以降は安定推移を続けていましたが、9月中旬頃から再び取引件数が増加し、上昇トレンドへ転換。
ピカチュウ系の中でも特に国内人気が高いカードとして、改めてその存在感を示す結果となりました。

今回の上昇は、短期的な高騰というよりも、夏以降に高額帯カードへ資金が戻った流れの一環として見られます。
同じピカチュウ系であるゴッホピカチュウと動きが連動している点も印象的です。

相場は一時的な過熱感を含みつつも、この水準を維持できるかどうかが今後の焦点となります。
今後も高額帯の安定銘柄として、市場全体の動向を占うバロメーターとなるでしょう。

ピカチュウ(マクドナルドプロモ)PSA10

最新相場:2025年9月30日時点で 20,000円

9月のマクドナルドプロモ ピカチュウ PSA10は、8月中旬の4万1千円からおよそ半値となる2万円前後まで下落しました。配布直後の高騰から一転し、供給の増加によって相場が大きく調整された形です。

本カードは、8月9日〜11日にマクドナルドで配布されたプロモパックに確定収録されており、発行枚数は一部報道で約150万枚とされています。
数量の多さから「短期的な転売需要」が集中し、一時的に高騰した後、市場に大量出品が発生したことで価格が落ち着きました。

ただし、注目すべきは配布から1か月以上経過しても取引量が非常に多い点です。
低価格帯ながら知名度・話題性が抜群であり、コレクション需要や海外人気の波が今後再び相場を押し上げる可能性もあります。

現在は落ち着いた価格帯を維持していますが、再評価のきっかけ次第では反発の余地を残しているカードといえるでしょう。

ビクティニ BWR争奪戦プロモ

最新相場:2025年9月30日時点で 未開封 70,000円 / PSA10 160,000円

9月のビクティニ BWR争奪戦プロモは、8月末から緩やかな回復を見せ、未開封品・PSA10ともにわずかに上昇しました。未開封品は6万5千円から7万円へ約8%上昇、PSA10は16万円前後で安定しています。

8月まで続いた下落基調が落ち着き、市場では「イベント配布終了後の在庫整理」が一巡した印象です。
流通量が限られる中で、コレクター需要による再評価の動きが見られます。

現時点では急激な上昇トレンドには転じていませんが、価格の下げ止まりが確認できた点はポジティブな材料です。この安定局面が続けば、今後再び10万円台回復を目指す展開も考えられます。

リーリエの決心 SAR

最新相場:2025年9月30日時点で 未鑑定品 44,000円 / PSA10 158,000円

9月のリーリエの決心 SARは、未鑑定品が横ばい推移となる一方で、PSA10はやや調整が入りました。8月後半の急騰後に高値圏での取引が続いており、依然として高い人気を維持していますが、勢いには陰りも見え始めています。

8月中旬にはPSA10が14万円台から17万円台まで上昇し、新弾カードとしては異例の速さで高額帯に突入しました。9月はその反動でやや落ち着いた動きを見せましたが、高値圏での取引は続いているものの、上昇トレンドの勢いは明らかに鈍化しています。

未鑑定品の価格が4万円台前半で推移する一方、PSA10は依然として15万円台後半と3倍以上の価格差が存在しています。この乖離は鑑定品の過大評価を示しており、すでに下落局面へ入りつつある可能性が非常に高いと考えられます。

人気キャラクターゆえ一定の支持は続くとみられますが、現状のPSA10水準はやや割高感があり、今後は市場の需給バランス次第でさらなる価格調整が進む可能性があります。

メガリザードンXex MUR

最新相場:2025年9月29日時点で 80,000円

9月末に発売された「インフェルノX」の看板枠として、MURは初動から8万円台で取引が始まりました。発売直後は出品が少なく、希少枠ゆえに強気の価格設定が目立ちます。

新弾初動では、入荷量・開封ペース・希少枠の封入率が価格形成を大きく左右します。MURは希少性が相対的に高いため、短期的には高値維持が起こりやすい一方、10月以降の開封進行や追加供給次第では段階的な調整も想定されます。

注目したいのは、オークション落札と即決の価格乖離です。初動は即決が高く出やすく、時間の経過とともにオークション相場へ収れんするのが通例。PSA提出が出始めるタイミング(10〜11月)で、未鑑定との価格関係が再構築される可能性があります。

現状の8万円は“初動プレミア”を含んだ水準です。出品量の増加や封入率情報の浸透に合わせて、一段の見直しが入る余地を念頭に置きつつ、PSA10の成立価格とセットで観察していきたい局面です。

メガリザードンXex SAR

最新相場:2025年9月29日時点で 65,000円

同じく「インフェルノX」収録のSARは、初動で6万5千円前後。キャラクター人気の強さから需要は厚く、発売直後としては高水準のスタートとなりました。

SARはデザイン・キャラ人気に支えられて“後から評価が伸びる”ケースもある一方、新弾直後は開封が加速するため、未鑑定価格は供給増で一時的な押し目を作るのが通例です。PSA提出が進み始めると、鑑定品の価格が基準になり、未鑑定はそれに追随してレンジを形成します。

今回はMURとの“二枚看板”構成で、資金が分散しやすい点にも留意。短期ではMURの希少性に資金が寄りやすい反面、SARは中期的に底堅い需要が残りやすい傾向があります。10月以降は出品量の推移、オークションの下値メド、PSA10の初値あたりをチェックポイントに据えたいところです。

9月のポケモンカード相場まとめ

2025年9月のポケモンカード相場は、「ピカチュウ系の高騰」と「新弾初動の高値安定」が大きな特徴となりました。

特に、ゴッホピカチュウと見返り美人ピカチュウが中旬以降にかけて大きく再評価され、いずれも月末には過去最高水準に到達。この動きは、コレクター人気と限定性が再び意識された結果といえます。

一方で、8月に高騰したリーリエの決心 SARは、PSA10がやや調整に入り、過熱感の修正局面を迎えました。鑑定品と未鑑定品の価格差が広がるなど、市場の中でも「選別の流れ」が鮮明になっています。

また、ビクティニ BWR争奪戦プロモやマクドナルドプロモのピカチュウなど、話題性の高いプロモ系カードは依然として注目度が高く、短期の上下動を繰り返しながらも高水準で推移しています。

さらに、9月末発売の新弾「インフェルノX」では、メガリザードンXex(MUR・SAR)の初動価格が非常に強く、10月以降の動向を占う重要なデータとなりました。

総じて9月は、
📈「既存人気カードの再評価」と「新弾初動の強さ」
📉「過熱カードの調整」
という2つの流れが同時に進行した月でした。

この傾向が10月も続くか、それとも高騰カードの利益確定売りで全体が落ち着くか――次回はその分岐点を見極める1か月になりそうです。


🪙 出典・参照
・当店調査データ(2025年9月30日時点)
・各種オークション/フリマ取引履歴