

2025.12.08
2025年11月のポケモンカード相場は、10月に続き全体的に“調整色の強い1か月”となりました。
特に11月は、
・ビクティニBWR争奪戦プロモの当選品発送
・ポケモンセンター トウホクBOXの再販・発送
・新ハイクラスパック「メガドリームex」の発売
といった供給イベントが同時に重なった月でありました。市場へ一気にカードが流入したことで、PSA10を中心に大きく値を崩すカードも多く見られました。
一方で、新弾の看板枠となったメガリザードンXex MURは高値圏を維持。同じリザードン系でもカードごとに強弱が分かれた点は11月ならではの動きといえます。
本コラムでは、11月末時点の最新データをもとに、注目カードの動きを整理しながら、1か月間の相場の流れをわかりやすく解説していきます。

最新相場:2025年11月30日時点で
未鑑定 80,000円 / PSA10 190,000円
11月のメガリザードンXex MURは、10月までの強さを引き継ぐ形で、高値圏を維持した1か月でした。
未鑑定品は、11月14日時点で 100,000円を付けたあと、月末には 80,000円まで調整。全体相場が軟調だった11月の状況を踏まえると「自然な押し目」といえる範囲に収まっています。
一方でPSA10は、11月14日時点で 200,000円、月末でも 190,000円前後を維持。
最高レアリティとしての需要が非常に強く、供給増が入りやすい11月でも崩れなかった点が特徴的です。
また、同じリザードン枠であるメガリザードンXex SARと比較しても、
・MURの方が一段高い価格帯
・値動きが安定している
という“レアリティ階層の差”がより明確に出た月でした。
供給イベントが重なり、他のカードが大きく下落した11月においても、メガリザードンXex MURは明確な強さを見せた、数少ない高額カードのひとつといえます。

最新相場:2025年11月30日時点で
未鑑定 56,000円 / PSA10 100,000円
メガリザードンXex SARは、9月末から11月中旬にかけて横ばいで推移。しかし、11月下旬になって明確な調整が入りました。
未鑑定品は、9月29日の 65,000円から11月末には 56,000円へと 約14%下落。 PSA10も 110,000円(11/15)→ 100,000円(11/30)と 約10%下落 。11月の全体相場の弱さを反映した動きとなりました。
とはいえ、リーリエの決心SARのような大幅下落カードと比べると、 メガリザードンXex SARは「急激に売られたわけではない」点が特徴です。
市場全体では再販・供給イベントが相次ぎ、PSA10が軟調になりやすい状況でした。SARはその中でも比較的落ち着いた値動きを維持しました。
また、同じリザードン枠であるメガリザードンXex MURと比較すると、
という構図が11月も継続しておりました。「MUR > SAR」というレアリティ階層がより鮮明になった1か月でした。
大きな上昇は見られなかったものの、供給イベントが多かった11月としては、想定の範囲内の調整に収まったといえます。

最新相場:2025年11月30日時点で
未鑑定 68,000円 / PSA10 140,000円
ビクティニBWR争奪戦プロモは、11月相場を語るうえで欠かせない“主役級”のカードとなりました。
本カードは11月に、当選者2,000名への一斉発送が行われました。その為、未鑑定の未開封品がまとまった数量で市場へ流入。結果、相場に直接的な影響を与えました。
未鑑定品は 70,000円前後から 68,000円と小幅な下落にとどまりました。しかし、PSA10は 170,000円 → 140,000円 と 約17%の大幅下落 を記録しました。
PSA10の相場が下落した要因として、2点が考えられます。
①大量の未鑑定品が市場に出回ったことで、今後PSA10の枚数が増加する可能性を意識された。
②もともとPSA10は割高感があった
これらの理由の結果、供給増をきっかけに価格帯が“適正化”へ向かった形と考えられます。
一方で未鑑定品がほぼ横ばいだった点は特徴的で、カード自体の人気が弱まったわけではなく、
PSA10の過熱感が正常化しただけ といえる状態でした。
11月は相場全体に慎重ムードが広がっておりました。その為、供給イベントの影響がもっとも表れたカードのひとつとなりました。
最新相場:2025年11月30日時点で
未鑑定 30,000円 / PSA10 79,000円
リーリエの決心 SARは、10月の大幅下落に続き、11月も下落が止まらない “2か月連続の調整局面” となりました。
未鑑定品は、10月20日時点の 42,000円から 30,000円へ。
PSA10は 140,000円から 79,000円へと下落。わずか2か月で50%近い調整幅 となりました。
このカードの場合、10月の段階で
という背景がありました。11月はその“価格差の修正”が一気に進んだ形です。
また、10月〜11月は供給イベントが多かったため、高額帯のPSA10が軟調になりやすい環境でもありました。
リーリエの決心SARは、需要の強さが比較的安定しているカードではあります。とはいえ、短期間で大きく値を崩したことで、市場心理が慎重になりやすい局面が続いている状態です。
今後は、
・PSA10と未鑑定の価格差がどの水準で落ち着くのか
・年末の需要期に買いが戻るか
といった点が注目ポイントとなります。
最新相場:2025年11月30日時点で 16,000円(未開封)
スペシャルBOX ポケモンセンター トウホクは、“再販ショック”の影響をもっとも強く受けたBOXとなりました。
8月〜9月の段階では 24,000〜31,000円と堅調に推移していました。しかし、10月中旬には 26,000円へやや調整。
そして 11月初旬の再販分発送 を受けて、相場は一気に下落へ転じました。
11月12日時点で 18,000円、そして月末には 16,000円。
10月比では約4割近い下落となり、11月の中でも特に大きな値動きを見せた商品です。
今回の急落の背景としては、発送開始による未開封品の市場流入が考えられます。
地域限定BOXは、発送タイミングが相場に与える影響が大きいです。実際、トウホクは11月に供給が始まったことで、市場全体が“売りが優勢になりやすい環境”へと傾きました。
11月はカード市場全体がやや慎重ムードだったこともあり、スペシャルBOXの中でもトウホクは特に弱さが目立った1か月となりました。

最新相場:2025年11月30日時点(発売初動)
11月29日に発売されたハイクラスパック「メガドリームex」は、11月相場の締めくくりとして大きな注目を集めました。
初動でトップとなったのは メガゲンガーex SAR(53,000円)。
事前予想では「メガカイリューex MURが最上位に来る」という声も多かったです。その為、やや意外なスタートとなりました。
メガカイリューex MURは 40,000円、SAR版は 21,000円と、いずれも初動としては妥当な水準に落ち着いています。
また、ピカチュウex SARが 25,000円で登場した点も、ピカチュウ系の需要を考えると安定感のある初値だったと言えます。
ハイクラスパックは発売後、約1年に渡って再販が定期的に行われます。
その為、1年を通してカード単価が大きく動く特徴があります。
今回の初動価格はあくまで 「市場の第一印象」 といった位置づけとなります。よって12月以降は大きく価格帯が動く可能性も十分考えられます。
とくにメガゲンガーex SARは人気が高く、再販が続く中でどこまで相場を維持できるかが注目点です。
また、メガカイリューexはMUR・SARともに一定の需要があります。今後の鑑定枚数や開封ペースによっては大きな変動が予想されます。
11月は既存カードの調整が目立った一方で、メガドリームexの登場によって“新たな資金の流れ”が発生した月でもあり、旧弾と新弾の間で明確な温度差が生まれ始めた印象を受けました。
2025年11月のポケモンカード市場は、
「供給イベントが重なった月」 であり、相場全体が調整色の強い展開となりました。
まず大きな影響を与えたのが、ビクティニBWR争奪戦プロモの 当選品 2,000枚の一斉発送。
これにより未鑑定品が大量に市場へ流入し、PSA10は約17%の下落。
10月に続き、11月もプロモ系カードの弱さが目立つ月になりました。
スペシャルBOX トウホクも、初旬の再販・発送により相場が下がり、月末には 16,000円 まで下落。供給ショックの影響がそのまま価格に表れています
一方で、新弾「メガドリームex」が登場したことで、市場には新たな資金の流れが生まれました。
初動ではメガゲンガーex SARがトップとなりました。旧弾とは異なる動きを見せた点が印象的です。
メガリザードンXex MURは、唯一と言っていいほど 安定感を維持しました。全体相場が軟調な中でも 19万円台をキープ。
同じリザードン枠でも SAR はやや調整が入りました。レアリティや供給量の差がそのまま価格に反映された形となった印象です。
リーリエの決心 SAR は、10月に続く2か月連続の下落となり、PSA10は80,000円台に。
PSA10と未鑑定品の“価格差是正”が引き続き進んだ印象で、市場心理の慎重さが特に出たカードとなりました。
総じて11月は、
といった要素が重なり、
「足元の値動きが整理された月」
という位置づけになりました。
12月以降は年末商戦が控えているため、一部の人気カードは再び買いが入りやすい展開も予想されますが、供給イベントの影響が残るカードは引き続き慎重な推移が続く可能性もあります。
引き続き、未鑑定とPSA10の価格差、そして再販スケジュールを意識しながら相場を見ていきたいところです。
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