

2026.06.04
2026年5月の金相場は、月前半に高値をつけた後、月後半にかけて下落する展開となりました。
国内金相場は5月12日に26,310円/gの月内高値を記録しましたが、その後は下落基調となり、5月28日には24,937円/gまで下落しています。海外金相場も同じく、月前半に高値をつけた後、月後半にかけて水準を切り下げました。
一方で、為替は月後半にかけて円安方向へ進みました。海外金相場が下落する中でも、円安が国内金相場の下落幅を抑える要因となっています。
5月は、米国とイランの協議進展やホルムズ海峡を巡る緊張、米CPIの上昇、米長期金利の上昇など、金相場に影響する材料が多い1ヶ月でした。
このコラムでは、2026年5月の国内金相場・海外金相場・為替の動きを整理しながら、相場に影響したニュースや大きく変動した日を振り返ります。
🔸 国内金相場
月前半に上昇し、5月12日に26,310円/gの月内高値を記録。その後は月後半にかけて下落し、5月28日には24,937円/gの月内安値をつけた。月末は25,132円/gとなり、月初を下回って取引を終えた。
🔸 海外金相場(ドル建て)
国内相場と同じく、月前半に高値をつけた後、月後半にかけて下落。5月12日に4,764.5ドル/ozまで上昇したものの、5月28日には4,481.5ドル/ozまで下落した。
🔸 為替(ドル/円)
月前半は156円台を中心に推移した後、月後半にかけて円安方向へ進行。5月28日には159.56円まで円安が進み、月末も159円台で取引を終えた。
🔸 5月相場の特徴
国内金相場と海外金相場は、どちらも月前半に高値をつけ、月後半にかけて下落する似た流れとなった。一方で、為替は円安方向へ進んだため、海外金相場の下落に対して、国内金相場の下落幅を抑える要因となった。
🔸 注目ポイント
5月は、米国とイランの協議進展やホルムズ海峡を巡る緊張、米CPIの上昇、米長期金利の上昇が金相場に影響した。月後半は、地政学リスクによる下支えよりも、インフレ懸念や米金利高止まりへの警戒が強く意識された相場だった。

2026年5月の国内金相場の主な数値を整理すると、以下の通りです。
月初価格:25,551円/g(5月1日)
月内高値:26,310円/g(5月12日)
月内安値:24,937円/g(5月28日)
月末価格:25,132円/g(5月29日)
上のグラフを見ると、2026年5月の国内金相場は、月前半に上昇した後、月後半にかけて下落する展開となりました。
5月1日は25,551円/gでスタートし、その後は月前半にかけて上昇基調となります。5月12日には26,310円/gまで上昇し、これが5月の月内高値となりました。
しかし、月中以降は上値が重くなります。5月中旬以降は徐々に水準を切り下げ、5月20日には25,153円/gまで下落しました。
その後、5月25日には25,548円/gまで一時的に反発したものの、月末にかけて再び下落。5月28日には24,937円/gを記録し、これが5月の月内安値となりました。
月末の5月29日は25,132円/gとなり、前日からはやや反発して取引を終えています。ただし、月初の25,551円/gと比べると419円安い水準であり、月全体では下落して終えた形です。
このように2026年5月の国内金相場は、月前半に高値をつけたものの、月後半にかけて下落し、最終的には月初を下回って取引を終えた1ヶ月だったと整理できます。

2026年5月の為替相場(ドル/円)の主な数値を整理すると、以下の通りです。
月初価格:156.97円(5月1日)
月内高値:159.56円(5月28日)
月内安値:156.51円(5月6日)
月末価格:159.26円(5月29日)
上のグラフを見ると、2026年5月の為替相場は、月前半は156円台で推移した後、月後半にかけて円安方向へ進む展開となりました。
5月1日は156.97円でスタートし、5月6日には156.51円まで下落しました。これが5月の月内安値となっています。
月前半は156円台後半を中心に推移しており、大きな方向感は出にくい状況でした。
しかし、月中以降は徐々に円安方向へ動きます。5月15日には157円台後半まで上昇し、その後も158円台から159円台へと水準を切り上げました。
月末にかけても円安基調は続き、5月28日には159.56円を記録。これが5月の月内高値となりました。
5月29日は159.26円となり、やや円高方向に戻したものの、月初と比べると約2.29円の円安で取引を終えています。
このように2026年5月の為替相場は、月前半は156円台で落ち着いた動きとなった一方、月後半にかけて円安が進行した1ヶ月だったと整理できます。

2026年5月の海外金相場(ドル建て)の主な数値を整理すると、以下の通りです。
月初価格:4,629.6ドル/oz(5月1日)
月内高値:4,764.5ドル/oz(5月12日)
月内安値:4,481.5ドル/oz(5月28日)
月末価格:4,532.4ドル/oz(5月29日)
上のグラフを見ると、2026年5月の海外金相場は、月前半に上昇した後、月後半にかけて下落する展開となりました。
5月1日は4,629.6ドル/ozでスタートし、月前半は上昇基調で推移しました。5月12日には4,764.5ドル/ozまで上昇し、これが5月の月内高値となっています。
しかし、月中以降は上値が重くなります。5月15日以降は水準を切り下げる動きが強まり、5月20日には4,511.2ドル/ozまで下落しました。
その後は4,500ドル台前半で上下を繰り返す展開となりましたが、月末にかけて再び下落し、5月28日には4,481.5ドル/ozを記録。これが5月の月内安値となりました。
5月29日は4,532.4ドル/ozとなり、前日からはやや反発して取引を終えています。ただし、月初の4,629.6ドル/ozと比べると97.2ドル安い水準であり、月全体では下落して終えた形です。
このように2026年5月の海外金相場は、月前半に高値をつけたものの、月後半にかけて下落し、最終的には月初を下回って取引を終えた1ヶ月だったと整理できます。
ここまで見てきたように、5月の相場は国内金相場と海外金相場がどちらも月前半に高値をつけ、月後半にかけて下落する似た流れとなりました。
一方で、為替は月後半にかけて円安方向へ進んでおり、海外金相場の下落に対して、国内金相場の下落幅を抑える要因となりました。
2026年5月の金相場は、月前半に上昇した後、月後半にかけて下落する展開となりました。
その背景には、米国とイランを巡る中東情勢、ホルムズ海峡の通航問題、アメリカのインフレ指標、米長期金利の上昇、そして為替介入を巡る動きがありました。
5月は、地政学リスクによって金が買われる場面があった一方で、原油高によるインフレ懸念や米金利上昇が金相場の重しとなった1ヶ月だったと整理できます。
ここでは、5月の金相場に影響した主なニュースを時系列で振り返ります。
5月相場は、4月末の為替介入直後の水準から始まりました。
4月30日には円相場が一時1ドル=160円台後半まで円安に進んだため、政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入を実施したと報じられました。これにより、円相場は一時155円台まで円高方向に急騰しています。
その後、財務省は4月28日から5月27日までの為替介入総額が11兆7349億円だったと発表しました。円安局面での介入としては過去最大規模とされています。
5月の為替相場は、月初こそ156円台で始まりましたが、月後半には再び159円台まで円安が進みました。
国内金相場は円建てであるため、為替の影響を受けます。5月後半は海外金相場が下落する中でも、円安が進んだことで、国内金相場の下落幅を抑える要因となりました。
5月前半には、米国とイランが戦争終結に向けた14項目の覚書で合意に近づいていると報じられました。
覚書には、イランの核濃縮停止、対イラン制裁の解除、ホルムズ海峡の自由な航行回復などが含まれているとされています。
一方で、イラン側の一部議員はこの案を批判しており、完全な合意には至っていませんでした。トランプ大統領も、イランが合意に応じなければ爆撃を再開すると警告する一方で、合意に達する可能性はあるとも述べています。
つまり5月前半は、戦争終結への期待が出る一方で、イラン側の反発や米国の強硬姿勢も残っていた時期でした。
さらに、ホルムズ海峡では実際に軍事的な緊張も続いていました。
5月7日には、ホルムズ海峡で爆発があり、イランと「敵」との間で交戦があったと報じられました。アメリカ中央軍は、米海軍の駆逐艦がイランからミサイル、ドローン、小型ボートによる攻撃を受け、自衛のために対応したと発表しています。
ホルムズ海峡は、世界のエネルギー供給の大きな割合が通過する重要な海路です。そのため、海峡を巡る軍事的な衝突や通航制限は、原油価格やインフレ見通しにも影響しやすい材料となります。
5月前半の金相場は、和平期待と地政学リスクが同時に意識される中で推移したといえます。
5月中旬以降、金相場の上値を重くした大きな材料が、アメリカのインフレ指標と米金利の上昇です。
5月12日に発表された米4月消費者物価指数(CPI)は、前年比3.8%上昇となり、前月から伸びが加速しました。エネルギー価格や食品価格の上昇がインフレを押し上げ、FRBによる利下げ観測は後退しました。
金は利息を生まない資産です。そのため、米金利が高止まりする、あるいは利上げ観測が強まる局面では、相対的な投資妙味が低下しやすくなります。
さらに5月中旬以降は、米長期金利の上昇も意識されました。米10年債利回りや30年債利回りが高い水準まで上昇し、物価高止まりや金利見通しの変化が市場の重しとなりました。
このように、5月中旬以降は中東情勢による安全資産需要が残る一方で、インフレ懸念と米金利上昇が金相場の上値を抑える構図となりました。
5月後半に入ると、米国とイランの協議は前進していると報じられる一方で、合意成立にはなお不透明感が残りました。
トランプ大統領は、イランとの合意を急がない姿勢を示し、ホルムズ海峡での封鎖措置についても、合意が成立するまでは維持すると述べています。
一方で、イランがホルムズ海峡の開放や高濃縮ウランの処分に原則として合意したとの報道もありました。交渉は進んでいるものの、核開発、制裁解除、凍結資産の返還などを巡っては、双方に隔たりが残っていたとされています。
また、5月25日には、米軍がイラン南部でミサイル発射拠点や機雷敷設を企てる船舶に対して自衛のための攻撃を実施したとも報じられました。
つまり5月後半は、外交交渉の進展期待がある一方で、現場レベルでは軍事的緊張が続いていた時期だったと整理できます。
5月28日には、金価格が2カ月ぶりの安値を付けたと報じられました。
背景には、米イラン情勢の緊張を受けたドル買いや、原油高によるインフレ懸念、米金利見通しの不透明感がありました。
実際に、5月28日は国内金相場が24,937円/g、海外金相場が4,481.5ドル/ozとなり、どちらも5月の月内安値を記録しています。
一方で、月末には米国とイランが暫定合意に達したとの報道もありました。
この暫定合意には、ホルムズ海峡の航行制限解除、船舶の自由航行、米国による海上封鎖の解除、さらにイランの核開発計画を巡る60日間の交渉開始などが含まれるとされています。
ただし、トランプ大統領はまだ承認しておらず、イラン最高指導者の承認が得られているかも不明とされていました。そのため、合意成立への期待は出たものの、完全に不透明感が解消されたわけではありません。
5月29日は、国内金相場・海外金相場ともに前日の安値から反発しました。月末の反発は、こうした暫定合意報道による緊張緩和期待も影響したと考えられます。
5月のニュースを整理すると、以下のような流れになります。
月初:4月末の為替介入後、156円台からスタート
月前半:米イラン協議の進展期待が出る一方、ホルムズ海峡では交戦も発生
月中:米CPI上昇と米長期金利の上昇が金相場の重しに
月後半:イランとの合意期待は残るが、封鎖継続や自衛攻撃で不透明感も継続
月末:金価格は2カ月ぶり安値を付けた後、暫定合意報道で反発
このように2026年5月は、中東情勢を巡る地政学リスクが残る一方で、米インフレ指標や米長期金利の上昇が金相場の上値を抑えた1ヶ月でした。
また、為替市場では大規模な円買い介入が行われたものの、月後半には再び円安が進行しました。海外金相場は月後半に下落しましたが、円安が国内金相場の下落幅を抑える要因となった点も、5月相場の大きな特徴といえます。
2026年5月の国内金相場は、月前半に高値をつけた後、月後半にかけて下落する展開となりました。
ここでは、前回取引日と比べて大きく動いた4日間を日付順に整理し、その背景となったニュースもあわせて確認します。
5月11日:25,846円/g
5月12日:26,310円/g(+464円)
12日は、前回取引日から+464円の上昇となり、国内金相場は26,310円/gまで上昇しました。
これが5月の月内高値となっています。
この上昇の背景には、5月前半にかけて米国とイランを巡るニュースが相次いだことがあります。
5月6日には、米国とイランが戦争終結に向けた14項目の覚書で合意に近づいていると報じられました。
また、5月7日には、イランがアメリカの提案を「検討中」としていることも伝えられています。
一方で、5月8日にはホルムズ海峡で米海軍の駆逐艦とイラン側の交戦があったとも報じられており、中東情勢への不透明感は残っていました。
つまり5月前半は、戦争終結への期待が出る一方で、ホルムズ海峡を巡る軍事的な緊張も続いていた時期です。
こうした不透明感が相場を下支えし、国内金相場は5月12日に月内高値をつけたと考えられます。
また、為替も5月12日に157円台まで円安方向へ進んでおり、円建てである国内金相場の上昇を後押ししました。
5月15日:25,789円/g
5月18日:25,261円/g(−528円)
18日は、前回取引日である15日から−528円の下落となりました。
この背景として重要なのが、5月12日に発表されたアメリカの4月消費者物価指数(CPI)です。
米4月CPIは前年比3.8%上昇となり、前月から伸びが加速しました。エネルギー価格や食品価格の上昇がインフレを押し上げ、FRBによる利下げ観測は後退しました。
米金利の高止まりや利下げ観測の後退は、金相場にとって上値を抑える材料になりやすいです。
5月18日の下落は、月前半の上昇後の調整に加え、米CPI上昇を受けた金融政策への警戒感が重しになった動きと整理できます。
5月19日:25,545円/g
5月20日:25,153円/g(−392円)
20日は、前日比−392円の下落となりました。
5月20日のロイター記事では、物価高止まりや金利見通しの変化、投資家行動の変化などを背景に、米国債利回りが上昇しやすい状況にあると報じられています。
米長期金利の上昇は、金相場の重しになるだけでなく、ドル建てで取引される海外金相場の上値を抑える要因にもなります。
実際に、5月20日の海外金相場は4,511.2ドル/ozまで下落しており、国内金相場もそれに連動する形で水準を切り下げました。
為替は円安方向へ進んでいたため、国内金相場の下落幅を一定程度抑えましたが、海外金相場の下落圧力が強く、国内金相場も大きく下落した日だったと整理できます。
5月27日:25,248円/g
5月28日:24,937円/g(−311円)
5月28日は、前日比−311円の下落となり、国内金相場は24,937円/gまで下落しました。
これが5月の月内安値となっています。
5月後半は、米国とイランの協議に進展がある一方で、合意成立には不透明感が残っていました。
5月24日には、トランプ大統領がイランとの合意を急がない姿勢を示し、ホルムズ海峡での封鎖措置についても、合意が成立するまでは維持すると述べたと報じられました。
また、5月25日には、米軍がイラン南部でミサイル発射拠点や機雷敷設を企てる船舶に対して、自衛のための攻撃を実施したとも報じられています。
さらに5月27日には、トランプ大統領が、イランは合意を強く望んでいるものの、米国はまだ内容に満足していないと述べました。
協議は進んでいたものの、合意成立にはなお不透明感が残る状況でした。
5月28日の下落は、こうした米イラン情勢を巡る不透明感が残る中で、ドル買いや米金利見通しへの警戒が強まったことが重しになった動きと整理できます。
通常、地政学リスクは金の下支え材料になりやすいですが、この局面では、米イラン情勢の緊張が「有事の金買い」よりもドル買いを促す材料として意識されました。
また、原油高によるインフレ懸念も残っており、米金利が高止まりするとの見方も金相場の重しとなりました。
その結果、5月28日は国内金相場が24,937円/g、海外金相場が4,481.5ドル/ozまで下落し、どちらも5月の月内安値をつける展開となりました。
5月の大きな変動日を整理すると、
5月12日:+464円の上昇
5月18日:−528円の下落
5月20日:−392円の下落
5月28日:−311円の下落
となります。
5月前半は、米国とイランの戦争終結に向けた協議が進む一方で、ホルムズ海峡を巡る軍事的な緊張も続き、金相場は月内高値をつけました。
一方で、月中以降は米CPIの上昇、米長期金利の上昇、ドル買いの動きが金相場の重しとなります。
中東情勢への不透明感は残っていたものの、5月後半はインフレ懸念や米金利高止まりへの警戒が強く意識された相場だったといえます。
また、為替は月後半にかけて円安方向へ進んだため、国内金相場の下落幅を抑える要因となりました。
それでも海外金相場の下落圧力が強く、国内金相場も5月28日に月内安値をつける展開となりました。
2026年5月の金相場は、月前半に高値をつけた後、月後半にかけて下落する展開となりました。
国内金相場は5月12日に26,310円/gの月内高値を記録しましたが、その後は水準を切り下げ、5月28日には24,937円/gの月内安値をつけました。月末の5月29日は25,132円/gとなり、前日からはやや反発したものの、月初の25,551円/gを下回って取引を終えています。
海外金相場も同様に、5月12日に4,764.5ドル/ozの月内高値をつけた後、5月28日には4,481.5ドル/ozまで下落しました。国内相場と海外相場は、どちらも月前半に高値をつけ、月後半にかけて下落する似た流れとなりました。
一方で、為替は月後半にかけて円安方向へ進みました。5月1日は156.97円でしたが、5月28日には159.56円まで円安が進行しています。海外金相場が下落する中でも、円安が国内金相場の下落幅を抑える要因となりました。
ニュース面では、米国とイランの協議進展やホルムズ海峡を巡る緊張が意識される一方、米CPIの上昇や米長期金利の上昇が金相場の重しとなりました。特に月後半は、地政学リスクによる下支えよりも、インフレ懸念や米金利高止まりへの警戒が強く意識された相場だったといえます。
5月末には米国とイランの暫定合意報道もあり、相場は安値からやや反発しました。ただし、合意の最終承認には不透明感も残っており、中東情勢やホルムズ海峡を巡る問題は引き続き注意が必要です。
2026年5月の金相場は、国内・海外ともに月後半に下落した一方で、円安が国内相場を下支えした1ヶ月だったと整理できます。